知ってるつもりになってない?SPF、PA...UVケアの常識
EXPERT エステサロンオーナー・美容家・美容ライター
寒川あゆみ (37歳)
これから春夏に向けて、紫外線が気になる季節ですね。
「春や夏になったら美白!」「レジャーに行く時だけUV!」これでは日焼け予防の意味がありません。
日々、年中、紫外線を浴びていますし、日常生活からジワジワと日焼けしています。
しっかり日焼け止めの意味を理解して活用しましょう。
■紫外線からお肌を守るために、年中お肌を乾燥させないこと。
お肌が乾燥していたり、バリア機能が低下することで、お肌の表面が荒れた状態になり、肌の内部へと紫外線の影響をより多く受けやすくなってしまうことでシミやくすみの原因となります。
春先の花粉がお肌に付着したままやアレルギーを起こし肌がガサガサ、ブツブツをそのまま放置してしまったり、汗をかいてるからと言って油断は禁物。意外とエアコンなどの冷気や、汗によってお肌内部は乾燥しています。
シミやくすみを起こさないようにも、お肌のバリア機能を守るためにもしっかり保湿ケアを心がけましょう。
肌の内部には長年浴び続けた紫外線によるダメージがたくさん潜んでおり、数年かけて少しずつ蓄積し、表面に出てきて、気付けばシミ、くすみとなります。
それらをお肌の中に溜め込まないためにも保湿は大切なのです。
■紫外線A波とB波の違い
紫外線A波(UVA)とは肌の奥深く真皮まで届く紫外線。
紫外線A波に長く当たることで、肌内部に活性酸素を作り出し、DNAを傷つけコラーゲンやエラスチンを破壊することによって、「シワ・たるみ」などの肌老化を招きます。
窓ガラスや雲も突き抜けるため、曇りの日や室内でも注意が必要です。
紫外線B波(UVB)とは肌表面が赤くなる炎症を起こす紫外線。
紫外線B波を浴び、肌表面に発生した活性酸素は、紫外線を浴びなくても過剰にメラニン色素をつくり、色素沈着となり「シミ・そばかす」を招きます。別名「レジャー紫外線」とも言われています。
年間を通して、紫外線A波もB波も両方放出されています。
■日焼け止めに書いてるSPFの意味とは?
SPFとはサンプロテクションファクターの略。
主に、UV-B (紫外線B波)の防止効果があり、数字が大きいほど効果が高くなります。
SPF10〜SPF50などありますが、SPF30だからと言って30時間効果があるわけではありません。
紫外線に当たり出してから日焼けするまで、(ぼわっと赤い斑点が出て炎症している状態)個人差はありますが、約15分~20分と言われています。
例えばSPF30なら、30倍遅らせることが出来るという意味です。
日焼け止めを塗ったからといって100%防げているわけではなく、日焼けによるダメージを軽減しているということであり、SPFとは時間ではなく防御力なのです。
■日焼け止めに書いてるPAの意味とは?
PAとはプロテクショングレイドオブ UVAの略。
主に、UV-A (紫外線A波)の防止効果があり、表記されている+の多さがUV-Aに対する効果の高さを示します。
++++ 極めて高い効果がある
+++ 非常に効果がある
++ かなり効果がある
+ 効果がある
■日焼け止めの選び方
日常生活ではSPF20〜30、PA++
レジャーに行く時はSPF50、PA++++
といった選び方が理想。
「日焼け止めだし、これでいっか」と、なんとなく購入するのではなく、日常生活レベルなのか、レジャーレベルなのかをしっかり考えて、それに合ったSPFやPAの日焼け止めを購入しましょう。
レジャーなどの場合は出来るだけこまめに塗り直すのがベストです。メイクをしている場合はスブレータイプの日焼け止めを上から振るのも良いです。
■日焼け止めの量と塗り方 〜お顔〜
私が使用している日焼け止めはクリームタイプのものなのですが、
お顔に塗る際は、パール一つ分くらいの量を目安にスキンケアの後に塗ります。
(1)お顔全体にまず、ポンポンと置きます。ポイントは高い位置に乗せること。
日焼けはお顔の高い位置である、お鼻や頬から焼けやすいので、その部分は少し多めに乗せます。
(2)お顔の中心から外側(あご〜フェイスライン〜首、鼻〜耳の付け根、目元〜こめかみ、眉上〜生え際)と外へ広げるように伸ばしていきます。
目の周りの際や小鼻などの細かいところや首も忘れないように塗ってくださいね。
(3)伸ばすだけだと日焼け止めの白い色が残りやすいので、手のひらで優しく押すようになじませましょう。
■日焼け止めの量と塗り方 〜身体〜
(1)手〜肘、肘〜肩にかけて関節を一つの目安とし、表面と裏面で分けて塗るようにしましょう。
他の場所も同じように(ひざ下、ひざ上の表面、裏面など)部分分けをして塗りましょう。
(2)お顔と同じようにしっかり伸ばしてから手のひらで優しく押すようになじませ、身体のパーツはお顔に比べて面積が広いので2,3回に分けて日焼け止めを重ねて塗るようにしましょう。
現役エステティシャンが教える「覚えておきたい!美容の知識」 の記事
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コメント (1)
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EXPERT
しゅん
おでこの髪の生え際とか、まぶた、耳の上、地肌など、つい塗り忘れてしまいそうな部分ほど紫外線が当たりやすく、うっかり焼けしてしまいがち。皆さんも気をつけてくださいねヽ(´o`;
2017-03-29 00:47
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