
【美容医療の最前線】肌の再生医療「真皮繊維芽細胞療法」とは? 効果、費用、体験談を徹底解説
公開
EXPERT jobikai編集長
しゅん (41歳)
吉木伸子 (美容皮膚科医・よしき銀座クリニック院長)
が監修しています
「真皮繊維芽細胞療法」をご存じでしょうか。美容医療に関心の高い方々の間で注目を集める、“肌の再生医療”です。
加齢に伴い気になるシワやたるみを、肌の弾力組織である真皮を若返らせることで根本から改善するという、先進的な再生美容治療です。
本記事では、実際にこの治療を受けられる方に密着し、詳細なレポートにまとめました。治療法のほか、治療によるお肌の変化、そして気になるリスクや費用についてもご紹介いたします。
真皮繊維芽細胞療法とは? その仕組みと特徴

肌の弾力成分を作り出す細胞を、培養して移植する再生医療
真皮繊維芽細胞とは、皮膚の真皮層などに存在する細胞で、皮膚の弾力組織であるコラーゲンなどの成分を作り出す役割を担っています。シワやたるみといったエイジングサインは、この真皮繊維芽細胞の減少や機能低下が大きな要因とされています。
「真皮繊維芽細胞療法」は、自分自身の肌からこの細胞を採取し、培養して数を増やした後、再び肌に戻すという再生医療の一つです。

患者さん自身の細胞を用いるため、アレルギーや体の拒否反応を引き起こすリスクが低く、また、ヒアルロン酸注入や照射系の治療といったアプローチとは異なり、皮膚本来の機能を取り戻し、より自然なエイジングケアが期待できるとして、注目を集めています。
しかしながら、この治療は国への申請をクリアした医療機関でのみ実施が可能で、細胞培養には高度な技術を要するため、費用が高額になる傾向があります。そのため、興味をお持ちになられても、十分に検討されてから治療を受けたいとお考えになる方が多いことでしょう。
真皮線維芽細胞は「肌の弾力成分の工場」
肌は、表面側から表皮層、基底層、真皮層、皮下組織という多層構造をしています。
そのなかでも肌のハリを作り出しているのは真皮層部分で、真皮層は、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった成分が立体的に連結し、クッションのような弾力を維持しています。
そして、これらの弾力成分を作り出している工場のような細胞が、真皮繊維芽細胞です。

真皮繊維芽細胞は、加齢とともに活動が低下し、細胞の数も減少していくため、若い頃の肌の弾力が維持できなくなり、肌のシワやハリ不足、たるみといったエイジングサインとして現れてきます。
真皮繊維芽細胞療法は、肌の弾力成分の工場である真皮繊維芽細胞を採取し、数を増やして再び真皮層に移植することで、若い頃の肌に近い状態を作り出し、シワやハリを改善し、数年前のハリを取り戻すことが期待できる治療です。
真皮繊維芽細胞療法で期待できる効果

真皮繊維芽細胞を移植することにより、肌の弾力成分が生成され、シワやハリ不足、たるみが気になる以前の状態へと戻していくことが期待できます。肌本来の働きを促す治療法であるため、自然な若返りが期待できることが最大の魅力です。
・シワを浅くする
・ハリを改善する
・たるみを改善する
ハリが戻ることによる副次的効果も!
・小顔効果:
肌のハリが増すことで、顔全体が引き締まった印象になります。
・まぶたの開きが改善:
まぶたの皮膚にたるみがあった場合、ハリが出ることで目の被さりが軽減し、目が開きやすくなります。
・おでこのシワの改善:
まぶたが開きやすくなることで、眉やおでこを上げる癖がなくなり、おでこのシワが軽減されます。
ほかのエイジングケアと比較してのメリット
・ご自身の細胞を使用するため、体の拒否反応やアレルギーのリスクが低いと考えられます。
・肌本来の働きにより徐々に改善していくため、変化が自然です。
・細胞を保管しておき、数年後に再移植が可能です。
・ダウンタイムが少ないとされています。
治療の流れ

真皮繊維芽細胞療法の大まかな流れは、
検体採取 → 培養・保管 → 移植(複数回に分けて) → 定期検診
と、シンプルです。
しかし、通常のクリニックで行われる美肌治療と明確に異なる点として、培養・保管施設に長期間細胞を保管する必要があることが挙げられます。そのため、来院当日にすぐに施術を受けられるわけではなく、移植の料金のみを支払いをして単発で受けられるというわけでもありません。
真皮繊維芽細胞療法を受ける際には、事前に医師とのカウンセリングでしっかりと治療計画を立て、どのくらいの頻度で細胞移植を行うのか、また、どのくらいの期間細胞を施設に保管しておく必要があるかなどを決定しておく必要があります。
真皮繊維芽細胞療法のステップ(よしき銀座クリニックの場合)
1.カウンセリング(事前予約必須):
治療の適用性や、治療プランなどを医師の診断に基づき決定します。
2.血液検査:
治療の前に、適正検査が必要となります。血液を採取し、検査機関に送付します。通常、1週間ほどで検査結果が届きます。
3.検体採取:
細胞の培地(細胞を培養する場所)のための血液の採取と、培養する真皮繊維芽細胞の採取を行います。採取した検体は培養・保管施設に送られ、培養する分以外は長期保管されます。保管期間に応じて保管料金が発生します。
4.移植(検体採取から約5週間後):
培養で増やした細胞をお肌に移植します。移植は水光注射や、医師の手打ちによる注射で行われることが一般的です。
5.再移植:
通常、真皮繊維芽細胞療法での細胞移植は1回ではなく、2回、3回と複数回を1クールとする場合が多いです。移植の間隔は1週間から2ヶ月程度と幅があり、医師との相談の上決定します。
6.定期検診:
1クール終了後、定期検診にて治療の経過を観察いたします。経過によっては追加の移植を行う場合もありますが、移植1回ごとに料金が発生します。
7.再移植: (希望による)
1クール終了後から1〜2年後に、希望すれば再移植が可能です。再移植を行うためには、事前に保管期間に長期保管の契約を結ぶ必要があります。保管されていない場合は、再度検体採取からやり直しとなるため、1クール終了後も年に1回程度の再移植を希望する場合は、細胞の保管契約をしておく方が良いでしょう。
1クール終了後の肌の変化


今回、真皮線維芽細胞療法を行ったYukiさんの場合、
1回目の移植で目の周辺に注入
2、3回目の移植で全顔に注入
と、合計3回の移植を行いました。

さらに、オプションで
・プレ施術としてポテンツァ(C)
・左半顔にFGF(線維芽細胞増殖因子)を追加
をしました。

↑Yukiさん 治療前の画像
「顔がキュッとした!」

↑1クール終了後のYukiさん
【Yukiさんのコメント】
「若くなった?何かわかんないけど、ちょっと変わった?」と、友達に会った時に言われます。「痩せた?」とか、「顔ちっちゃくなった?」とか、「目が大きくなった?」とも言われますが、肌の治療をしたとは誰からも気づかれていないくらい自然な変化です。とにかく、顔がキュッとした、と言われます。」
肌のハリが改善したことで、肌全体がタイトニングし、小顔や目が大きいといった第一印象につながっているようです。





よしき銀座クリニック院長 吉木先生の見解:
真皮線維芽細胞療法をやると、「顔がキュッと小さくなった」「目が大きくなった」という方が多いです。今回もそのような変化がわかります。
肌がタイトニングしたことによって、毛穴も目立ちにくくなりましたし、フェイスラインも引き締まったと思います。
額のシワが改善していますが、おそらくまぶたのたるみが取れたためと考えられます。
目への皮膚のかぶさりが、微妙ですが改善していますので、額を上げて目を開ける必要がなくなったのだと思われます。
まだ効果のピークではなく、今後細胞が働いて真皮層の弾力を再生していくので、半年、一年たってさらに変化する可能性は十分あります。「真皮線維芽細胞療法をやると、「顔がキュッと小さくなった」「目が大きくなった」という方が多いです。今回もそのような変化がわかります。
肌がタイトニングしたことによって、毛穴も目立ちにくくなりましたし、フェイスラインも引き締まったと思います。
額のシワが改善していますが、おそらくまぶたのたるみが取れたためと考えられます。
目への皮膚のかぶさりが、微妙ですが改善していますので、額を上げて目を開ける必要がなくなったのだと思われます。
まだ効果のピークではなく、今後細胞が働いて真皮層の弾力を再生していくので、半年、一年たってさらに変化する可能性は十分あります。


効果的に真皮線維芽細胞療法を受けるポイント
術後は規則正しい生活とバランスの取れた食事を
せっかく入れた細胞が十分に働くためには、体を良い環境にしてあげることが大切だと吉木先生はいいます。
良質な睡眠や、栄養バランスの取れた食事をとり、規則正しい生活をすることで、しっかりと真皮線維芽細胞療法の効果を得ることができます。
逆に、ジャンクフードばかりだったり、睡眠が十分に取れていなかったりすると、効果の出方も遅い傾向があるとのことです。
肌を活性するプレケアの追加がおすすめ!
細胞移植の前に、RFなどで熱を加える治療を行っておくことで、元々ある細胞が刺激されて活性化するため、そこにさらに移植で細胞を追加することでより一層細胞が働きやすくなるのだそうです。
真皮線維芽細胞療法の効果をさらに高めたいという方は、オプションでこのようなプレケアを追加してはいかがでしょうか。
なお、細胞移植をした後は、基本的には他の美容施術はしばらく行えません。もし行いたい場合は移植前に医師に相談の上行っておくことをおすすめします。
真皮線維芽細胞療法の注意点
・血液検査で感染症が陽性の場合、治療を受けられません。
・注入量により注入できる範囲に限りがあります。
・移植注入予定日に合わせて細胞を加工するため、2週間以上前の予約が必要です。
真皮線維芽細胞療法の費用
よしき銀座クリニックでの真皮線維芽細胞療法の費用は下記の通りです。

基本料金
・カウンセリング
・血液検査
・採皮+初期培養
が基本費用としてかかります。これら合わせて税込517,000円となっています。
細胞移植料金
真皮線維芽細胞療法は、培養した細胞を移植する治療ですので、基本料金に加えて移植費用が必ずかかります。
1千万個(1cc)追加ごとに143,000円〜となっています。
初年度半年以内に2回、翌年から年1〜2回が推奨されていますが、
例えば、2回ワンクールとして受ける場合は286,000円となります。
細胞保管料
真皮線維芽細胞療法で数回に分けて移植を行う場合は、移植まで培養施設で保管してもらう必要があります。
通常、1年単位での保管契約が多く、5年など長期間での契約をするとそのぶん割引が適用されることがあります。
よしき銀座クリニックの場合は、培養・保管施設としてセルバンクと提携しており、年間約18万円(1ヶ月あたり15,000円)となりますが、5年分まとめての支払いだと年間10万円程度となります。
真皮線維芽細胞療法は新時代の若返り治療
数年前までは、再生医療で若返るというのはもっともっと未来の話のように思っていましたが、今まさにこのような形で実現しているのは驚くべきことです。
真皮線維芽細胞療法は、
・自分の細胞を使用
・肌の再生による自然な若返り
・将来への細胞貯金
などができるということで、年齢を重ねても若い肌へ巻き戻せる!という期待を持てるため、年をとる事が楽しみになりますね。
今はまだ気軽に試せるほど安くはない治療ですが、未来への肌投資にある程度お金をかけられる方にとってはとても魅力的な肌治療ではないでしょうか。
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