知識が正月太りを防ぐ♡ 知っておきたいおせち料理の意味と栄養価
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悠
それぞれの料理や食材自体に深い意味がある日本の伝統的なおせち。正月太りを防止するためにも料理の栄養価やカロリーをしっかり把握しておきましょう!
縁起を担いだ食材が詰め込まれたおせち料理はバランスよく食べよう
「おせち料理」は正月に食べられるお祝い料理のこと。“めでたさを重ねる”という意味から、縁起を担いだ食材や料理が重箱に詰められています。四段重が正式ですが、大人数で食べられることが少なくなってきたことから、現在は三段重のおせちが一般的です。
そこで知っておいて損はない、古くから伝わるおせち料理の意味と栄養価をまとめました!
食材の栄養価を知っておくと、食べ過ぎ防止にもつながりますよ。美活に励む“大和撫子”にとって正月太りは避けたいはずです♡
それぞれのカロリー目安も表示したので、参考にしてくださいね。
【一の重】祝肴、口取りを彩り鮮やかに
一の重は重箱の一番上に当たります。最初に目に入るので、彩鮮やかに盛り付けましょう。
お屠蘇をいただく際の祝肴や口取りを詰めます。特に黒豆、数の子、田作りの3品はおせち料理に必要不可欠。
お酒を飲めない人や子供たちのために甘い料理を中心に詰めていきます。
【数の子(祝肴)】子宝と子孫繁栄を祈願
数の子はニシンの卵。魚卵は古くより子孫繁栄を願う縁起のいい食材として扱われてきました。
塩漬けにされた数の子は塩抜きをし、調味液に漬け込んでからいただきます。
〈栄養価〉
脂質は血液をサラサラにする不飽和脂肪酸。EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有量は、サンマやマグロを上回るほど。またビタミンE、鉄、亜鉛も含まれるので、アンチエイジングや血流改善も望めます。
〈数の子のカロリー目安〉
100gあたり約162kcal
【黒豆(祝肴)】長寿と健康を祈願
マメに働き、まめ(健康)に暮らせるようにという意味が込められています。黒い色は魔除けを意味するので、邪気を祓い、無病息災を願うという意味も持ち合わせているんですよ。
〈栄養価〉
黒豆は大豆の品種。大豆と同様の栄養成分がある上に、黒い皮の部分にはポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれます。栄養価の高い黒豆はアンチエイジング、血流改善、美肌、コレステロール調整作用などが期待できるんですね。
〈黒豆煮のカロリー目安〉
100gあたり約237kcal
【田作り(祝肴)】豊作祈願
田植えの肥料に乾燥したイワシが使われていたことが「田作り」の由来。カタクチイワシの小魚(ごまめ)を使った料理。ごまめを煎って、醤油、みりん、砂糖で味付けします。
〈栄養価〉
魚を丸ごと食べる田作りはカルシウムや鉄分、ビタミンB群、ビタミンEが豊富。カルシウムや鉄分の吸収を助けるビタミンDも含まれています。
イワシはプリン体を多く含むため、尿酸値の高い方は注意しましょう。
〈田作りのカロリー目安〉
100gあたり約336kcal
【たたきごぼう(祝肴)】開運を祈願
ごぼうは細く、長く、しっかりと地中に根を張っているため、縁起の良い食材と言われてます。そのごぼうを軟らかく煮て、叩いて身を開き、開運を願った料理がたたきごぼうです。
〈栄養価〉
ごぼうは食物繊維やポリフェノールが豊富で、カリウム、葉酸も含まれる食材です。たたきごぼうはゴマの栄養素であるビタミンE、ミネラルもプラスされ、栄養価はさらにアップ! 便秘解消や抗酸化作用が期待できます。
〈たたきごぼうのカロリー目安〉
100gあたり約92kcal
【栗きんとん(口取り)】財運、勝負運を祈願
きんとんを漢字で書くと「金団」。名前の通り、黄金色に輝く財宝に例えられてます。また、栗は昔から出陣や勝利の祝い、正月の祝儀に用いられてくるほど縁起の良いと言われる食材です。
〈栄養価〉
ねっとりとした餡は栗またはさつまいもなので、食物繊維やミネラルが豊富です。栗きんとんは人気のおせち料理ですが、油断は禁物。炭水化物が多く、砂糖もたっぷりと使用されてます。食べ過ぎないよう、注意してください。
〈栗きんとんのカロリー目安〉
100gあたり約170kcal
【紅白蒲鉾(口取り)】初日の出を象徴
赤が魔除けや慶び、白が神聖や清浄を意味する紅白は祝いの色。蒲鉾の半円状が「初日の出」を象徴します。
〈栄養価〉
蒲鉾の原料は白身魚が主体。塩分こそ多めですが、高タンパク質、低脂肪、低カロリーの蒲鉾は、世界が注目するヘルシーフードです。
〈蒲鉾のカロリー目安〉
100gあたり約95kcal
【伊達巻(口取り)】学問や習い事の成就
白身魚やエビのすり身に卵黄、調味料を加えて焼かれたもので、巻物に似た形は文化や学問を表しているそうです。江戸時代に長崎から江戸に伝わった「カステラ蒲鉾」は、オシャレな装いを意味する“伊達者”から伊達巻と呼ばれるようになったという説や、伊達政宗が好物だったという説などがあります。
〈栄養価〉
一見、ただの甘い卵焼きですが、白身魚やエビのすり身が加えられてるので、カルシウム、鉄分、ビタミン類も含まれます。骨や歯を丈夫にしたり、高血圧を予防したりする効果が期待できますが、カロリーは少し高めなので、食べ過ぎには気を付けましょう。
〈伊達巻のカロリー目安〉
100gあたり約196kcal
【錦玉子(口取り)】おせちに華を添える
黄身と白身の2色が美しい錦玉子は、その2色を金と銀に見立てられているほか、錦と二色を語呂合わせしてるという説もあります。おせちを華やかにする役割があります。
〈栄養価〉
原材料は伊達巻とほぼ同じ。錦玉子は蒸して作るため、若干ではありますが、伊達巻よりカロリーは低めです。
〈錦玉子のカロリー目安〉
100gあたり約171kcal
【昆布巻き(口取り)】不老長寿の縁起物
「養老昆布=よろこぶ」という語呂合わせがあるほど、縁起物に用いられることが多い食材。他「こぶ=子生(こぶ)」とかけて子孫繁栄を願う意味もあります。
〈栄養価〉
食物繊維やカルシウムを豊富に含みます。昆布に含まれる食物繊維は免疫力のアップにも効果的です。昆布のカロリーは低いのでダイエット向きの食材ですが、意外と腹持ちは良くありません。
〈鮭入り昆布巻きのカロリー目安〉
100gあたり約94kcal
【二の重】口代わりの酢の物、メインディッシュの焼き物を
口代わりの酢の物と焼き物を詰めましょう。おせち料理の中でも焼き物はメインディッシュ。
一の重に詰め切れなかったものや、煮物を詰めても大丈夫ですよ。
【菊花かぶ】長寿を表す縁起物
かぶは冬が旬の食材。おめでたい菊の形に飾り切りし、紅く染めて、紅白の酢のものに仕立てた料理です。作るのは難しそうに見えますが、そんなことはありません。底を切り離さないよう、かぶに細かく切れ目を入れ、塩水に浸してしんなりさせます。すると菊の花のように開花! 甘酢に漬け込めば完成です。
〈栄養価〉
菊花かぶに使われるのは、白い根の部分。食物繊維のほか、消化を促進するジアスターゼという消化酵素が含まれています。そのため、胃や腸の働きを整えたり、胃もたれ、胸焼けを改善する効果が期待できます。
〈かぶの甘酢漬けのカロリー目安〉
100gあたり約85kcal
【エビ】長生きの象徴
エビには「腰が曲がるまで長生きできるように」という願いを込められてます。エビには様々な調理法がありますが、おせち料理にはうま煮、小エビを串で止めた鬼がら焼が用いられることが多いです。
〈栄養価〉
小エビは丸ごと食べられるため、豊富に含まれるミネラルやカルシウムが摂取可能。調理法にもよりますが、エビは種類を問わず高タンパク質で低脂肪、糖質ゼロ。ただしプリン体は多いため田作り同様、尿酸値が高い人は注意してください。
エビが持つ天然の赤い色素はアスタキサンチンという成分。眼精疲労の改善や動脈硬化の予防などが期待されてます。
〈エビの鬼がら焼のカロリー目安〉
100gあたり約102kcal
【紅白なます】平安と平和を願う縁起物
サッパリとした酢の物。大根、にんじん、魚介類と酢で作られることから「なます」と呼ばれるようになりました。現在では魚介を使わず、昆布やゆず、干し柿が合わせられることが多いです。お祝いの水引を表しています。
〈栄養価〉
生のにんじんにはβ-カロテンだけではなく、ビタミンCを破壊する「アスコルビナーゼ」という成分が含まれているため、ビタミンCが豊富な大根とは相性が悪いと言われてます。しかしアスコルビナーゼは酸に弱いため、酢と合わせるなますは理にかなってるんですね!
ヘルシーで美肌にも効果的な料理と言えるでしょう。
〈紅白なますのカロリー目安〉
100gあたり約40kcal
【小肌粟漬】出世を祈願
コハダは縁起が良いとされる出世魚。シンコ→コハダ→ナカズミ→成魚になるとコノシロと呼ばれます。縁起物のコハダですが、実は成長するにしたがって、価値は下落。シンコが一番高値で取引されるんですよ!
黄色い粒はクチナシで染めた粟。粟は五穀豊穣を意味してます。
〈栄養価〉
コハダは良質なタンパク質が豊富。脂質はオレイン酸が主体で、EPA、DHAも微量ながら含まれ、体力向上、疲労回復、代謝促進、免疫力アップに効果的。酢の効果で柔らかくなった小骨も食べられるので、カルシウムも補えます。
〈小肌粟漬のカロリー目安〉
100gあたり約193kcal
【三の重】季節の野菜をたっぷり使った煮物を詰めて
煮しめやうま煮、筑前煮など季節の野菜をたっぷり使った煮物を詰めましょう。煮物には、家族が仲良くいっしょに結ばれるという意味があるんですよ。もちろん煮物に使う食材にも意味があります。
〈煮しめのカロリー目安〉
100gあたり約87kcal
【れんこん】将来の見通しを願って
複数の穴があるれんこんを覗いてみると、目の前がよく見えますよね。そのイメージ通り、将来の見通しが良くなるという願いが込められた食材です。縁起物と言われる食材の中で穴があるのはレンコンだけではないでしょうか?
薄い茶色で丸みがあって、まっすぐした形のものを選びましょう。
〈栄養価〉
主成分はデンプンですが、ビタミンCが豊富に含まれます。加熱してもデンプンのおかげでビタミンCが壊れにくいのが特徴です。変色してしまうのは、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれるから。風邪対策や美肌に効果的です。
〈れんこんのカロリー目安〉
100gあたり約66kcal
【里芋】子孫繁栄
親芋に寄り添うようにたくさんの子芋、孫芋が付くことから、子宝に恵まれるようにという願いが込められています。親芋、子芋、孫芋が塊状になった品種が八つ頭です。
〈栄養価〉
芋類の中でも低カロリーで食物繊維が豊富。独特の粘りは食物繊維の一種であるムコ多糖類で、消化促進作用が期待できます。他にもむくみの改善や高血圧予防に働きかけるカリウムや、疲労回復に効果的なビタミンB1も多く含まれてるんですよ。
〈里芋のカロリー目安〉
100gあたり約58kcal
【くわい】子孫繁栄
大きな芽が出るので「めでたい」縁起の良い食材と言われています。まるで里芋からニュッと角が生えたような見た目です。親株から根を伸ばし、その先端に子球を付けるため、こちらも里芋と同様に子孫繁栄の願いが込められてます。日本で流通してるのは「青くわい」が大半で、ホクホクした食感が特徴。
〈栄養価〉
成分の約1/4が炭水化物ですが、ミネラルを豊富に含みます。その中でもカリウムの含有量は100gあたり600mgで野菜類の中ではトップクラス! むくみ防止や高血圧の改善に効果的です。
〈くわいのカロリー目安〉
100gあたり約126kcal
【椎茸】健康、長寿祈願
煮しめる際には、椎茸の笠を飾り切りし、陣笠や亀甲に見立てます。椎茸は神様へのお供え物として珍重されていました。
〈栄養価〉
ビタミンB群やミネラルを中心に、ビタミンD、ナイアシン、グルタミン酸、食物繊維などを多く含みます。免疫力向上、ダイエットや便秘改善に効果的です。
〈椎茸のカロリー目安〉
100gあたり約18kcal
【手綱こんにゃく】己を戒める心を養う、縁結び
手綱に見立てたこんにゃくは己を厳しく戒め、戦いに備える心を養うという意味を表しています。手綱のように心を引き締めるということですね。
この形はこんにゃくの中央に切れ込みを入れて穴をあけ、片方を穴の中にくぐらせて作ります。
〈栄養価〉
低カロリーで食物繊維やカルシウムが含まれます。便秘改善や腹持ちがいいので、ダイエットにも最適です。ただし栄養成分はほとんどないので、他の食材からビタミンを摂取する必要があります。
〈こんにゃくのカロリー目安〉
100gあたり約7kcal
【梅花にんじん】寿と結実を表す
にんじんの鮮やかな色は寿を表すと言われてます。そして梅の花は必ず実を結ぶということで、二重の意味で縁起物とされているんですね。
梅の花にしなくても、丸い形そのままで良縁を表す「日の出にんじん」として用いられることもありますよ。
〈栄養価〉
強力な抗酸化作用を持つβ-カロテンは皮に多く含まれます。油に溶けやすい性質があるため、そのまま生で食べるよりも油で調理した方が吸収率アップするんです! β-カロテンには免疫力をアップさせ、血圧を下げる働きがあります。
〈にんじんのカロリー目安〉
100gあたり約44kcal
【たけのこ】立身出世を祈願
成長が早いたけのこは天に向かって真っすぐ、グングンと伸びていきます。その様から立身出世や繁栄を願う縁起の良い食材として使われているんです。
〈栄養価〉
食物繊維が豊富で低カロリーな食材。カリウムも豊富で、体内の余計な塩分も排出してくれるため、むくみ防止や血圧を下げる働きも期待できます。ただし灰汁が強い食材なので、食べ過ぎには注意しましょう。
〈たけのこのカロリー目安〉
100gあたり約26kcal
【楯豆腐】家族を守るという祈りを込めて
高野豆腐に焼き目をつけ、家族が守られるように願って楯に見立てた食材。武家社会の名残といえるでしょう。
〈栄養価〉
高野豆腐は木綿豆腐を凍らせ熟成させた後、乾燥させて作られます。栄養満点の豆腐が凝縮されてる上に、凍結されることでタンパク質が変化(凍結変性)するんです。凍結変性したタンパク質は血中コレステロールを抑える働きがパワーアップ! 豆腐自体にコレステロール調整作用があるので、更なる効果が期待できますよ。
豆腐はカルシウムの吸収率があまり良くないのですが、ビタミンDと一緒に摂取することで吸収率は高まります。椎茸と同時に摂取することができる煮物は栄養面でも理にかなっているんですね。
〈高野豆腐のカロリー目安〉
100gあたり約529kcal
1個あたり16g(85kcal)
古くから伝わるおせち料理にはありがたい意味とともに、栄養面でも考えられているんですね。
1つ1つの意味をかみしめながら、バランスよく食べ、輝かしい1年になるよう願いを込めましょう。
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