シミが治療後にかさぶたとなって剥がれるのは何故?
公開
うさみ
近年インターネットを中心にして、シミが剥がれるようにして落ちていくと魔法のようなクリームが話題です。しかしながら、その評判は決して良いものばかりとは言えず、過大表現を使った広告やクチコミだけを信じて購入してしまった人が大半のようです。
残念ながら、シミそのものはかさぶたのような状態になって簡単に剥がれ落ちる(消える)ことはありません。あくまでも、肌の内側で色素沈着を起こした部分が肌のターンオーバーによって徐々に剥がれていくイメージです。
そこで今回は、シミのレーザー治療を受けた後にシミの部分がかさぶたになって剥がれるメカニズムや、シミとかさぶたの誤解されがちな関係性、噂のクリームの評判などについて解説します。
シミがかさぶたになって剥がれるメカニズム
シミを解消する治療のなかで最も効果的で、ある意味で最終手段ともいえるものがレーザー治療です。レーザー治療にはいくつかの種類がありますが、いずれも共通している仕組みとしては、肌内部で色素沈着を起こしている異常色素細胞に対してレーザーの光を当てて、熱エネルギーで色素細胞を破壊するという事です。
色素細胞が破壊されて細かくなる事によって、肌からの排出や、体内への吸収が行われてシミが解消していきます。
その際に皮膚の表面付近にある色素細胞の部分は、普通の火傷をした際と同じような形でかさぶたとなってから剥がれ落ちていくようになり、一方で深層部にある色素細胞はマクロファージと呼ばれる死滅した細胞や細菌などを吸収する細胞によって吸収され、血液やリンパ管を通じて体外へ排出されます。
一般的にかさぶたと呼ばれるものは傷を負った際に止血することが目的で出来る血小板止血ですが、シミ治療の後にできるかさぶたは熱エネルギーで破壊された異常色素細胞の残骸と考えるといいでしょう。かさぶたは死滅した細胞のため自然に剥がれるようにして排出されるのです。
シミ治療の後に出来るかさぶたが剥がれ落ちると、その下には正常な細胞が生成されているためシミが薄くなる、または消えるというメカニズムです。
シミがかさぶたのように剥がれることはあるのか?
世間では、シミをかさぶたを剥がすようにして消すことが出来るクリームなどの化粧品があります。しかしながら、これらの製品が謳うようにシミが剥がれるようにして跡形もなく消えることは現実的にはあり得ないと考えていいでしょう。
その理由に、皮膚の構造や外的刺激によるシミの悪化などが挙げられます。表皮は表面側から順番に、角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つの層で構成されており、シミの原因であるメラニンは、一番深くの基底層で作られ、肌のターンオーバーと共に、徐々に角質層へと移動して、最終的に垢となって剥がれ落ちていきます。
仮に表皮の表面、角質層付近にあるメラニンがかさぶたのようになって剥がれ落ちても、まだ基底層付近に沈着しているメラニンは残っているため、シミが消えるという状態にはなりません。
クリームなどによるケアは基本的に角質層へのケアのみで、そこより深い部分に作用する事はないため、クリームを塗るだけでシミをかさぶたのように剥がして解消というのは難しいのです。
噂のアルバニアクリームの効果とは?
シミがかさぶたのように剥がれ落ちると話題になっている美白化粧品のひとつがアルバニアホワイトクリームです。インターネットのクチコミを中心にして多くの人に広まったヒット作ですが、効果を実感しにくいことや、広告のような効果が得られないという声も散見されます。
そこで今回は話題のアルバニアホワイトクリームの効果や評判を独自調査でまとめてみました。肯定的な意見と否定的な意見の両方をご紹介します。
アルバニアホワイトクリームの肯定的な意見
・厚生労働省が認めた成分が含まれているため安心できる
・「美白」と「医薬部外品(薬用)」の表示がある
・ベタつきがなく、浸透が早いため使用感が良い
・シミの改善を実感した
・1分以内でケア出来るので楽
・肌のトーンが向上あるいは改善した
・コストパフォーマンスが高い
アルバニアホワイトクリームの否定的な意見
・効果を感じるまで時間がかかる(1ヶ月以上)
・肌に合わない
・シミに変化がない
・広告やクチコミを信用できない(過大な印象)
・中長期的な使用では高コストになる
・否定的なクチコミが多い
このように、アルバニアホワイトクリームに対する評判は賛否両論あります。しかし、どの意見もシミ対策用の美白化粧品に共通する意見ばかりのため、アルバニアホワイトクリームだけがこのような評判になっているとは限りません。
話題のアルバニアホワイトクリームに対して肯定や否定を行うものではありませんが、シミを解消するために押さえておきたい美白化粧品選びのポイントがあることは事実です。次の章では、シミを改善する美白化粧品の選び方のポイントを紹介します。
■シミを解消する美白化粧品選びのポイント
シミをかさぶたのように剥がして完治させる魔法のような美白化粧品は残念ながらありませんが、シミの症状を改善するために有効とされる美白化粧品は多く流通しています。ここでは、シミを改善することに適した美白化粧品選びのポイントを紹介します。
「美白有効成分」が含まれていること
化粧品のラベルに「美白」と表記されているということは、厚生労働省が認可した美白有効成分が一定量含まれていることを意味します。つまり、美白の表記があることは厚生労働省のお墨付きと言い換えられます。
シミの改善に効果的とされる美白有効成分には主に以下のようなものがあります。数ある美白化粧品の中からひとつを選ぶ際の基準にするといいでしょう。
ビタミンC誘導体
抗酸化作用があるビタミンCはシミだけでなくニキビなどの肌トラブル全般に効果的です。しかし、空気に触れると劣化してしまうことが欠点でした。これを改良したのがビタミンC誘導体です。ビタミンC誘導体には、コラーゲンの生成、抗酸化作用、持続性や即効性などの特徴があります。
トラネキサム酸(m-トラネキサム酸)
トラネキサム酸は止血剤、抗炎症剤、湿疹などの治療に使用されてきた成分で、メラニンを生成するメラノサイトの働きを抑制する作用もあるとされています。なかでも、対策が難しいと言われる肝斑によるシミに効果があるのが特徴です。
プラセンタエキス
代謝を促進する効果があり、毛細血管の働きを活性化するのがプラセンタです。これらの作用が肌のターンオーバーを促進して、シミが出来た肌を再生化します。同時に、メラニンの元であるチロシナーゼの働きを抑制する効果もあります。
アルブチン
シミを予防するのに最適とされるのがアルブチンです。既存のシミを解消する効果は低いものの、チロシナーゼの働きを抑制する作用があるため、メラニンが色素沈着を起こすことを未然に防ぎます。低刺激であることが特徴で、シミの予防と悪化の抑制に適しています。
【番外編】ハイドロキノン
シミの改善の代表格とされるのが肌の漂白剤という異名を持つハイドロキノンです。厳密には有効成分としての認可を受けていないことから医薬部外品有効成分ではありません。しかし、医師による診断と処方を受けることで軟膏などが手に入ります。
濃度が高いほどシミの解消に効果があるとされていますが、肌への刺激を与えてしまうリスクもあります。皮膚科や美容外科など専門医に相談してから使うようにしましょう。
まとめ
シミはレーザーやクリームなどを使った治療後に、かさぶたになって剥がれ落ちるようにして消えるようなことはありません。あくまでも色が薄くなる程度です。また、紫外線や刺激などが加わると再発や悪化する可能性があることも忘れないようにしましょう。
シミ対策の美白化粧品などはたくさんの種類が流通していますが、正しい知識と広告やクチコミを鵜呑みにしない
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