ハイドロキノンはシミにどう効果を発揮する? その仕組みと利用方法
うさみ
肌の漂白剤とも言われるくらい、シミなど肌の色素トラブルを解消する作用が強いとして知られているハイドロキノンをご存知でしょうか?
市販の美白化粧品に含まれているものや医療機関で医師の処方の元利用できるものまであるハイドロキノンですが、その効果や仕組み、最適な使い方などをご紹介します。
ハイドロキノンとは?
ハイドロキノンは、元々写真の現像に利用される薬剤から発見された成分で、フィルム写真を現像する職人の手が非常に白いという事から研究がすすめられ、見つかったものです。
化学成分の印象をうけますが、コーヒーや麦芽、いちごやブルーベリーといった果物などにも含まれている天然成分で、自然界では抗酸化作用として生物の細胞が酸化によってダメージを受けるのを防ぐ役割として働いています。
ハイドロキノンは別名「肌の漂白剤」と言われるくらい強い美白作用を持っていて、コスメ大国のアメリカでは美白といえばハイドロキノンというくらいに頻繁に利用されています。
その美白作用には大きく分けて3つの作用があります。
メラニンが増えるのを防ぐ働き
ハイドロキノンの一つ目の美白作用は、メラニン色素が作られる事を防ぐ働きです。
メラニンはシミなどの色となる色素成分ですが、ハイドロキノンは肌でこのメラニンが作られる働きを阻害する事で、シミが出来たり濃くなったりするのを防ぎます。
メラニン色素を無色にする
ハイドロキノンの二つ目の働きはメラニン色素の無色化で、メラニン色素を直接「還元」して、メラニンの材料となる素材に戻す事で、シミの色を薄くします。
一般的に化粧品に含まれる美白成分は、メラニン色素が作られる事を予防するのみですが、メラニンの色素を還元する作用によって出来てしまったシミも薄くしていく事が出来るのがハイドロキノンの特徴です。
メラノサイトを減少させる
ハイドロキノンの二つ目の働きはメラニン色素の無色化で、メラニン色素を直接「還元」して、メラニンの材料となる素材に戻す事で、シミの色を薄くします。
一般的に化粧品に含まれる美白成分は、メラニン色素が作られる事を予防するのみですが、メラニンの色素を還元する作用によって出来てしまったシミも薄くしていく事が出来るのがハイドロキノンの特徴です。
メラノサイトを減少させる
メラノサイトとはメラニンを作り出す、肌にある機関。ハイドロキノンはこの働いているメラノサイトの数を減少させる事で、そもそもメラニンが作られにくい状態を目指していく事が出来ます。
この3つの働きによって、ハイドロキノンはシミを解消していく効果を発揮します。
安定化によって使いやすくなったハイドロキノン
実は、ハイドロキノンが美白に効果的とわかってからも、中々一般の商品に配合されるまでには時間がかかっています。
その理由は、ハイドロキノンはそのまま保存しようとするとすぐに酸化して茶色くなってしまい、商品として利用しにくかったから。ハイドロキノンの持つ強力な抗酸化力は、ハイドロキノン自体が酸化する事で周囲の物質や細胞が酸化しないように、身代わりのような働きをするものであるため、ハイドロキノン単体で抽出するとすぐに酸化してその性質が失われてしまうのです。
しかし、研究が進むにつれてハイドロキノンを商品化してもすぐに酸化してしまうという事がなくなり、安定的なハイドロキノンが作られた事で数多くの美白商品に配合されるようになりました。
ただし、安定しているとはいえ他の成分と比べれば酸化しやすいという特徴はあるため、ハイドロキノンが配合された商品は開封後になるべく早く使い切る必要があります。
ハイドロキノンが6%以上のものは医師の処方が必要
そんな高い美白効果を持つハイドロキノンですが、一方で肌への刺激にもなるというデメリットも持ちます。
一般的にはハイドロキノンが1~4%程度であれば肌への刺激も強くなく、副作用が出にくいため市販の化粧品などにも配合される濃度ですが、美白作用としては若干弱めに。
一方、配合濃度が4%を超えてくるとメラニンの還元作用などシミに対しての即効作用も期待できるようになってきますが、肌へのピリピリ感など副作用も強くなるためあまり高濃度で配合されているものは多くありません。
また、6%を超える濃度にする場合は市販が行えず、医師による診察、処方の元で利用する必要があります。
また、配合されるハイドロキノンにも種類があり、成分の99%が有効成分である純ハイドロキノンに対し、前述のようにハイドロキノンの劣化を防ぐため、他の物質を混ぜて有効成分が数十%程度となっている安定化ハイドロキノンもあるため、配合濃度だけではく、配合されているハイドロキノンの種類によってもその効果の発揮度合いは変わります。
純ハイドロキノンの方が当然効果は高いのですが、その分製品として安定しにくく、また価格も高めになる傾向があるので、利用方法などによって最適なものを選ぶようにしましょう。
ハイドロキノンを利用する注意点
シミに高い効果を発揮するハイドロキノンですが、その利用方法にはいくつかの注意点があります。
肝斑のある肌には使わない
肝斑はシミの一種ですが、紫外線の影響によって出来る通常のシミ(老人性色素斑)と違い、肝斑はホルモンバランスの崩れなどによって肌が炎症などを引き起こし、メラニンが作られる事が原因とされています。
そのため、肝斑がある肌に過剰な刺激を与える事はNGで、シミの治療として利用されるレーザー治療や光治療も、肝斑に対してはNG行為となります。
ハイドロキノンについても、肌に対して刺激となる副作用があるため、基本的に肝斑がある肌への利用はNG。
肝斑の正確な判断は難しいので、心配な方は一度皮膚科などでの診察を受けてハイドロキノンの利用について相談するようにしましょう。
真皮層に蓄積されたシミには効果も限定的
シミの中でも、肌の深く「真皮層」部分に色素沈着してしまったシミについては、ハイドロキノンを肌表面から塗っても、なかなか色素沈着している部分までハイドロキノンが到着できず、色素を分解していく効果が得にくくなります。
ハイドロキノンをある程度使い続けても完全に消えないようなシミの場合、このように深い場所での色素沈着となってしまっている可能性があるため、この場合は一度レーザー治療などに切り換えてみると良いでしょう。
酸化したハイドロキノンは使わない
前述の通り、ハイドロキノンはとても酸化しやすく、品質が変わってしまいやすい成分。
酸化した状態で肌に利用すると、メラニンの還元作用などが得にくく、肌への刺激ばかりが加わるという可能性もあります。
開封して時間が経過してしまった商品など、ハイドロキノンが酸化して色が変わってしまっているような場合には、利用しないようにしましょう。
目安としては開封から1か月以内に使い切る事。1か月経過していなくても、変色しているようであれば利用しないという形が推奨されます。
皮膚が薄く弱い人は刺激に注意
ハイドロキノンは刺激が強い成分のため、付けると肌がピリピリするような感覚になる方もいます。
特に肌が薄く、刺激に弱い方の場合は注意が必要で、肌に合わないのに我慢していると炎症やアレルギーなど余計なトラブルに発展してしまう場合もあります。場合によっては過度にメラニンが還元され、白斑と呼ばれる白い斑の状態になってしまう事もあります。
利用する場合は一度肌に薄く塗ったり、パッチテストを行ってから使うようにしましょう。
また、選び方としてもいきなり濃度の濃いものを選ぶのではなく、最初は濃度が薄いものを選び、大丈夫そうであれば少しずつ濃い濃度のものに切り替えていくというような選び方をした方が、肌のダメージを避けて適切にケアが行えるようになります。
おすすめのハイドロキノンクリーム3選
ハイドロキノンは即効性がある反面、刺激が強い一面もあります。たくさんあるハイドロキノンクリームのなかでもクチコミや体験談を元にしたおすすめの物をいくつかご紹介します。
濃厚本舗 ハイドロキノンクリーム(ホワイトクリーム)
国内のネット通販サイトでベストセラーになるほど支持されているこの製品は、純ハイドロキノンを2パーセント含んでおり、他の製品と比較して純度が高いハイドロキノンを含んでいながらリーズナブルということが特徴です。また、エアレス容器と呼ばれるハイドロキノンの劣化を防ぐ容器が使われているため、劣化による刺激リスクが少ないことも特徴です。
ビーグレン QuSomeホワイトクリーム1.9
ハイドロキノンの濃度は1.9パーセントですが、独自技術のQuSome化で人体への安全性を確保しつつ、ハイドロキノンの浸透性と持続性を高めた製品です。この独自技術の結果、赤みなどの肌へのダーメジは一般的なハイドロキノンの4分の1に抑えられています。また、シミの原因となるチロシナーゼの活性化を抑制するペプチドや、ビタミンC誘導体なども含まれており美白効果が高いと評判です。
Dermisa スキンフェイドクリーム
世界22カ国での販売実績がある世界的ベストセラーです。純ハイドロキノン2パーセントと抗酸化作用があるビタミンC誘導体も配合されているため、シミだけでなく肌トラブル全般に効果的とされています。イギリスの製造工場とアメリカの研究施設で研究しつくされたデータを元にして成分を配合しているため、安全性と効果はお墨付きです。
このようにハイドロキノンを含んだクリームは豊富にありますが、それぞれに特徴があります。選ぶ際はハイドロキノンの濃度と使用期間に加えて、安全性や販売実績なども考慮して選ぶといいでしょう。
まとめ
ハイドロキノンは適切に使えばシミなどのエイジングトラブル解消に非常に効果的である反面、間違えた使い方には若干のリスクも伴う成分です。
しっかりとその作用について理解し、自分に合った商品を見つけて利用するようにしましょう。
肌の状態に適切に合わせたものを選ぶという点では、クリニックでの処方を利用するのもとてもおすすめです。
ハイドロキノンを上手に利用して、白く美しい肌を手に入れませんか?
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