メラニンはどのように生成されるの? そのメカニズムについて

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うさみ

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シミの原因として広く知られているのがメラニンです。とくに女性であれば、メラニンがたくさん分泌されるとシミになるということは常識としてご存知かもしれません。世の中にはシミを予防または改善する美白化粧品が多く流通していますが、それらをどのように活用するべきかは、メラニンの特性やシミのメカニズムを正しく理解しているかが影響します。

そこで今回は、シミの原因でもあるメラニンの生成メカニズム、メラニンの種類、そしてメラニンを抑制する方法などについて解説します。

メラニンとは何なのか

メラニン(melanin)とは人間や動植物に含まれている色素のことです。メラニン色素とも呼ばれますが、多くの場合でメラニンという総称が使われています。人間を含む脊椎動物の場合、皮膚の表面にある表皮層(厚さ0.2ミリ程度)の最も下にある基底層と真皮層の境目にメラノサイトと呼ばれる色素細胞があり、そこでメラニンは生成されています。

メラニンの種類

メラニンには2つの種類があります。ひとつは、黒色または黒褐色のユーメラニン(真性メラニン)、もうひとつは黄色や橙赤色のフェオメラニン(亜メラニン)です。一般的にはふたつを区別することなく、まとめてメラニンと呼ぶのが通例です。

ユーメラニンとフェオメラニンは複合体として存在しており、その比率によって人間の肌の色や髪の毛の色が決定します。例えば、ユーメラニンの比率が多いと肌が黒くなったり、髪の毛が黒くなる傾向があります。対照的に、フェオメラニンの比率が多いと肌が白くなり、欧米人に多いブロンドヘアーになる傾向があります。我々日本人を含むアジア人は、中間に該当するため黄色っぽい肌色、黒髪をしています。

また、ユーメラニンは紫外線を浴びると生じる活性酸素を吸収する作用があるものの、フェオメラニンは活性酸素を増幅させる特性があります。このことはフェオメラニンが多い白人種に皮膚癌が多い傾向と一致しています。

メラニンの役割

メラニンはシミの原因になる厄介な存在として認識されていますが、メラニンの最も重要な役割は紫外線から細胞を守り、日光障害や悪性腫瘍の発生を防ぐことです。事実、肌が黒い人種ほど皮膚癌の発生率は低く、メラニンの働きは人類発展にも大きく関与しているほど重要な意味を持っています。

さらに、メラニンには人体に有害とされる活性酸素の吸収や散乱、金属や薬剤の取り込みなどの働きもあるとされ重要な存在なのです。仮に、人間のメラニンが機能しないとすると、紫外線の影響を受けて人類は淘汰されると考えられており、メラニンの紫外線防御機能は非常に重要なものと言えます。

メラニンによる影響

メラニンは紫外線防御の役割がある一方で人体にとって、肌や髪の毛の色を決定付ける役割、シミの原因、皮膚癌の原因などの影響があります。

肌や髪の毛の色

メラニンにはユーメラニンとフェオメラニンがありますが、それぞれの比率によって肌の色や髪の色が決定します。肌や髪の色が黒い場合は、ユーメラニンの比率が多く、肌が白くブロンドヘアーの場合はフェオメラニンの比率が多いという関係性があります。ちなみに、赤毛の場合はフェオメラニンにユーメラニンがわずかに混在していることで起こります。

シミの原因

紫外線や刺激を受けて生成されたメラニンは、色素細胞の細胞膜によって包まれたメラニン顆粒が膜小胞となって色素細胞から飛び出すようにして表皮層の表皮細胞(ケラチノサイト)に移動します。表皮細胞に移動したメラニンは紫外線や刺激から発生する活性酸素を吸収または散乱させて細胞を守りますが、表皮細胞内に長期間滞留してしまうと色素沈着を起こしてしまいます。これがいわゆるシミです。

表皮細胞に移動したメラニンはターンオーバーと呼ばれる肌の新陳代謝によって角質になって自然に排出されますが、加齢、生活習慣の乱れなど様々なことが原因となり、ターンオーバーが長期化してしまうことで色素沈着が起こりやすくなります。
メラニンはシミの原因とされていますが、厳密にはメラニンが滞留することがシミの原因なのです。

皮膚癌

メラニンは紫外線防御の役割がありますが、その機能が正常に働かないと皮膚癌になる可能性があります。紫外線を受けた肌では活性酸素が発生し、活性酸素によって正常な細胞が破壊されてしまう危険性が高まります。メラニンが有効に働くことでそれを防ぎますが、仮に活性酸素を抑制できなかった場合、正常な細胞が破壊されてしまいます。

人体には正常な細胞が破壊されても修復する治癒力がありますが、治癒力が衰えるとメラノサイトや母斑細胞などで異常細胞が増え、結果的に悪性腫瘍が出来てしまいます。メラニンの働きは皮膚癌などの病気と深い繋がりがあると言えます。

メラニン生成のメカニズム

人体にとって大切な役割を持っているものの、シミの原因でもあるメラニンはどのようなメカニズムで生成されているのでしょうか。メラニン生成のメカニズムを理解することで、効果的なシミ対策も可能になります。

人体の皮膚にあるメラニンは、チロシンから合成された様々なインドール化合物で、銅含有酵素のチロシナーゼによって酸化してドーパに変化し、続けてドーパキノンに変化します。

ドーパキノンは自動的に酸化し、インドール化合物に変化してユーメラニンになります。この際にシステインがあるとシステイニルドーパに変化して、フェオメラニンになります。メラニンの生成行程は複雑ですが、決め手となっているのがチロシナーゼで、チロシナーゼがメラニン生成量と関係が強いとされています。

紫外線を受けてシミができるまでのメカニズム

多くの人とって最も身近なメラニンの影響はシミです。シミができるまでのメカニズムは大きく分類して4つの行程を辿ります。

刺激誘因物質が表皮細胞(ケラチノサイト)を刺激する

刺激誘因物質の紫外線や女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンが、ケラチノサイトと呼ばれる表皮細胞を刺激することから始まります。この他にも、洗顔時の摩擦、ニキビなどの炎症、ストレスによる活性酸素の増加などもケラチノサイトの刺激に繋がります。

情報伝達物質がメラノサイトを作用

何かしらの刺激を受けた表皮を構成する角化細胞から、メラノサイトを活性化させるプラスミン、プロスタグランジン、ホスホリパーゼ、エンドセリンなどが放出され、メラノサイトが活性化されます。

チロシンがメラニンに変化する

活性化したメラノサイトではチロシンがチロシナーゼと結びつき、ドーパ、ドーパキノンへと変化して最終的にメラニンになります。

メラニンが表皮細胞へ輸送される

メラノサイト内から細胞膜に包まれたメラニン顆粒が次々とケラチノサイトへ輸送されます。この際に、過剰になったメラニンや長く滞留したメラニンが色素沈着を起こしてシミになります。

メラニンの生成メカニズムは厳密には非常に複雑な行程を辿りますが、防御反応によって生成されたメラニンが、表皮細胞に滞留してしまうことでシミになるという仕組みを覚えておくといいでしょう。
ちなみに、現在流通している美白化粧品はこれらのメラニン生成行程を細分化し、それぞれの行程で有効とされる成分を開発、または配合して販売されています。

メラニン生成に要する時間

人間の体では紫外線や刺激を受けてすぐにメラニンが生成されるわけではありません。紫外線の量や年齢などによる個人差があるものの、一般的には紫外線などの刺激を受けてから6時間後から24時間後に生成が始まり、72時間後頃まで生成され続けるとされています。

このことは、紫外線を受けた後に適切な処置を取ることでメラニンの生成を抑制できることを意味しています。ただし、メラニンの生成が始まる時間は明確な定義はないためひとつの目安として考えましょう。

メラニンの悪影響を抑制するためにすべきこと

メラニンが生成されることは決して悪いことではありませんが、メラニンが表皮細胞に滞留することはシミの原因になるため避けなければいけません。そこで、メラニンが滞留しないように日頃から出来る対策を紹介します。

ターンオーバーの正常化

表皮細胞に滞留しているメラニンはおおよそ28日周期で肌が生まれ変わるターンオーバーによって体外へ排出されます。しかし、ターンオーバーの周期が乱れたり、長期化すればするほどシミのリスクは上がります。

そのため、日頃からいかにターンオーバーを正常化させるかがシミを作らない基本対策になります。残念ながら、ターンオーバーは加齢と共に乱れやすくなり、周期も長くなります。それを防ぐためにも以下のことを心がけてください。

・1日7時間以上の睡眠
・1日30分以上の運動(血流改善)
・通年で紫外線対策
・保湿
・バランスが取れた食事(栄養摂取)

これらの生活習慣は肌のターンオーバーを正常化させる基本的な習慣とされています。これらの生活習慣に加えて美白化粧品などを使ってスキンケアを行うようにしましょう。

メラニンを抑制する成分を活用する

メラニンは表皮細胞に滞留することでシミになりますが、そもそも過剰に生成されないようにすることも重要です。そのためには、メラニンが生成される行程においてメラニン生成を抑制する成分が含まれている美白化粧品などを活用しましょう。

メラニンを抑制するのに効果的とされているのは以下の成分です。

L-システイン

メラニン生成時の核とも言えるのがチロシナーゼです。L-システインにはこのチロシナーゼの生成または活性化を防ぐ作用があります。L-システインはメラニン生成の初期段階で作用するためシミ予防には欠かせない成分とされています。

さらに、活性酸素を除去する抗酸化作用やターンオーバーを促進する作用もあります。メラニンを抑制するだけでなく、体外へ排出するのにも役立つため重宝される成分です。

トラネキサム酸

紫外線や刺激を受けるとメラノサイトを活性化する情報伝達物質が作用します。このなかのプラスミンと呼ばれる成分を抑制するのがトラネキサム酸です。

ビタミンCまたはビタミンC誘導体

ビタミンCは酸素に触れると劣化しやすい特性があります。それを補うために開発されたのがビタミンC誘導体です。これらはメラニン生成行程途中のドーパキノンをドーパに還元する作用があります。また、既存のシミによる着色も還元するため、シミの予防と改善で効果的とされています。

メラニン生成を促す行為を減らす

メラニンは人体に必要なものですが、過剰になるとそれだけ表皮細胞に滞留してシミが出来やすくなります。そのためにはメラニンが過剰に生成されないような工夫が必要です。

紫外線対策

最も重要な対策が紫外線対策です。紫外線を受けた肌ではメラニンの生成が始まりますが、それ自体を抑制するのは難しいため、メラニン生成を促す刺激そのものを減らすことが重要です。そのためには、年間を通して日焼け止めクリームなどを使って紫外線対策をするのが有効です。

摩擦による刺激を避ける

メラニン生成が促されるきっかけは紫外線以外にも摩擦による刺激も含まれます。とくにクレンジングや洗顔などの習慣は刺激行為のため注意が必要です。拭き取りクレンジングの多用、ゴシゴシ洗い、熱いお湯での洗顔、タオルで強く拭く行為などに気をつけましょう。

保湿

肌が乾燥していると紫外線や物理的な刺激などに対する抵抗力が低下するため、メラニンが過剰に生成されることに繋がります。紫外線対策と同様に保湿も日頃から心がけて、健康的な肌を保つようにしてください。

まとめ

メラニンは紫外線や摩擦などの刺激を受けることがきっかけで生成されます。さらに、生成されたメラニンが滞留することでシミになります。これらのことから「メラニン生成のきっかけを作らないこと」と「メラニンを滞留させないこと」が大切と言えます。メラニン生成のメカニズムを理解して、適切な対策ができるようにしましょう。

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