表皮はターンオーバーで日々新しくなる
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スキンケアでよく耳にする言葉に「ターンオーバー」というものがあります。
ターンオーバーを直訳すると「入れ替わり」ですが、肌の一番表側にある表皮は、一定の期間で常に新しい細胞へと入れ替わりが起こっています。
今回はそんな肌のターンオーバーについて解説します。
肌のターンオーバーとは
肌は常に新しい細胞が作られ、古くなったものは垢として剥がれ落ちていくという事を聞いた事はないでしょうか。
肌のターンオーバーとは、簡単に言えば「肌にある細胞が全て、一定周期で入れ替わる」事を示した言葉で、スキンケアはこのターンオーバーを正常に保つ事が基本とされます。
何故肌はターンオーバーするのか
肌はターンオーバーしてどんどん新しいものに入れ替わっているわけですが、そもそも何故そんな事が必要なのでしょうか。
新しい肌が作られるという事はそれなりにエネルギーや栄養が使われるわけですし、別に怪我をしたなどのトラブルでもない限り肌が入れ替わる必要性はあまり感じないという人もいるかもしれません。
実は、というか当たり前ではあるのですが、肌は体の中でも最も外部からのダメージを受けやすい場所。
太陽光などから紫外線を浴びれば細胞が傷つきますし、摩擦や衝撃などの刺激が加わる事でもダメージを受けます。
肌のバリア機能が完璧であればダメージを完全に防ぐ事も可能かもしれませんが、形あるものがいずれ壊れるように、肌だってずっと刺激を受け続ければダメージを受けて壊れてしまいます。
ならば細胞が壊れてから作り直せばいいとも考えてしまうのですが、壊れてバリア機能が弱まってから新しいものを作っていては、その間に体がダメージを受けてしまうため、体を守るためには常に新しく健康な細胞に入れ替わっていく事が大切なのです。
ターンオーバーの周期は部位や年齢によって異なる
肌のバリアを維持するためのターンオーバーですが、新しく作られた細胞が垢となってはがれるまでの1サイクルにかかる期間は、よく28日周期と言われています。
じつはこの周期は代謝が活発な二十歳前後の肌をベースにしているとも言われ、加齢によって新陳代謝は低下するため、30代を超えてくると45日間程度、40代を超えると更に遅く55日程度はかかるとも言われています。
一説には「年齢×1.5日」程度が周期の目安とされていて、年を取ると傷跡にできるかさぶたなどが剥がれ落ちにくくなるのもこの影響です。。
さらに、ターンオーバーの周期は部位によっても異なります。
これはそもそも体の部位によって肌がダメージを受けやすい部分とそうでない部分があるためで、洗顔や紫外線によってダメージを受けやすいなどは比較的ターンオーバーが早く、逆にお腹など刺激を受けにくい場所はターンオーバーが遅くなります。
ターンオーバーが早くなりすぎor遅くなりすぎると肌トラブルの原因に
このように、肌のターンオーバーは体質や肌のダメージ度合いによって最も良いスピードで行われるよう、自動的に調整されていますが、過剰なスキンケアや強い肌のダメージなどによってターンオーバーが極端に早くなったり、肌が乾燥する事で極端に遅くなったりする場合があります。
ある程度の範囲で適切な速度で行われていれば問題ありませんが、あまりにも早くなりすぎるとバリア機能が育っていない未成熟な細胞ばかりになってしまったり、遅くなりすぎると健康でない細胞が積み重なってしまったりして、ニキビやシミなど多くの肌トラブルを引き起こす原因となります。
肌のターンオーバーを適切な状態に保つためには、保湿など肌のバリア機能を高めるケアをしっかりと行って、肌がなるべく健康的にいられるようにする事が大切です。
ターンオーバーの流れ
実際に、肌のターンオーバーがどのように発生するのか。そのサイクルを紹介します。
基底層で新しい細胞が作られる
肌のターンオーバーは、表皮の一番下にある基底層という所の細胞が新しい肌の細胞を作る事によってはじまります。
基底層は血液から新しい細胞を作るための栄養と、新しい細胞を作るという命令(成長因子であるEGFなど)を受け取る事で、新しい細胞を作ります。
有棘層~顆粒層と押し上げられつつ細胞が変化する
基底層ではどんどん新しい細胞が作られるため、新しい細胞に押し上げられるようにして肌の細胞は有棘層~顆粒層へとのぼっていきます。
この時、細胞の中では肌の保湿に必要な成分が作られ、顆粒層の一番上までくると細胞の中で作られた保湿成分の元が細胞の外に流れ出し、セラミドなどの細胞間脂質となります。
そして同時に細胞が活動するために必要な「核」という部分が消滅し、生きた細胞ではなくなります。この時に細胞の中で残った成分をまとめ、水分などを維持するように働くのがNMF(天然保湿因子)と呼ばれる成分です。
角質層で2週間程度残った後、剥がれ落ちる
核を失って生きた細胞では無くなったあとはすぐに剥がれ落ちるのではなく、2週間程度はレンガのように積み重なり、細胞の間を細胞間脂質がくっつけるような形で残り続けます。
この部分を角質層とよび、この生きていない細胞の特殊な状態を「角質細胞」と呼びます。
角質層では細胞自体は生きていませんが、細胞内部にある天然保湿因子や、細胞の間にある細胞間脂質が肌内部からの水分蒸発を防いだり、肌内部へウィルスが侵入する事を防いだりする重要な役割をになっています。
角質層の一番上では細胞間脂質を溶かして古い細胞を剥がす酵素が働いていて、新しい細胞に押し上げられてきた肌の細胞は、最終的に垢となって剥がれ落ちます。
表皮は正常なターンオーバーによって常に健康なバリア機能が保たれる
繰り返しになりますが、表皮は適切なターンオーバーが行われる事によって、ダメージを受けた細胞が残り続ける事が無く、常に健康なバリア機能を発揮する事ができます。
ただし、加齢や肌のダメージなどターンオーバーの周期が体質や状況によって変わってしまうのは当たりまえの事で、ターンオーバーは必ずしも早い方が良い、または遅い方が良いというわけではありません。
肌が必要とするターンオーバーが適切な周期で行われる事が大切ですので、過剰に早めよう、遅くしようとしたりせず、肌のバリア機能が十分な状態になるようなケアを心がけましょう。
肌の基礎知識 の記事
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