シミはタイプによって治療法も違う! チャート式シミ治療判別【簡易版】
なぎ
ぽつぽつと顔や体にできるシミ。いつかは皮膚科で消し去りたいと思っている人も多いですよね。
何となくシミ治療の料金を見て「高い」「安い」と思っている人も多いと思いますが、実はシミはその種類・タイプ別に必要となる治療が異なるため、治療費用にも差が出てきます。
中には保険適応の割安で治療できる場合なども有りますので、自分自身のシミがどのタイプなのか、まずは一度チェックしてみてください。
シミのタイプチェックチャート
老人性色素斑(日光黒子)
老人性色素斑は、黒く輪郭がはっきりとしたシミがぽつんと出来る、所謂「シミ」の事です。
老人性とは言っても若い内から出来る事はあり、主に紫外線などのダメージによって肌に蓄積・定着してしまったメラニンが原因です。
日光(紫外線)が主要な原因であるため、日光黒子とも呼ばれます。
顔の他、腕や手など紫外線を浴びやすい箇所に出来やすいシミです。
老人性色素斑はレーザーできれいに消せる
老人性色素斑の場合、ヤグレーザーなど強めのレーザーを照射する事でメラニンを分解し、数回の治療できれいに消す事が可能です。
保険適応では無いためやや高額にはなりますが、しっかり治してしまえば再発も少ないので、早めに解消してしまいましょう。
再発を防止するためにはシミを完全に除去する事が重要ですので、レーザー治療の経験が豊富なクリニックを選ぶようにしましょう。
肝斑(かんぱん)
最近よく聞くようになったシミが肝斑です。
目元や頬骨にそって、輪郭のはっきりしないシミがぼんやりと浮き出てくる形で発生します。左右対称に表れるため、そばかすやADMと間違えられやすいです。
主にホルモンバランスの乱れが原因で、30代以降の女性に表れやすいシミです。
肝斑の治療は内服薬が中心
肝斑の治療としては、現在の所「トラネキサム酸」という内服薬を服用し続ける事が主流です。
トラネキサム酸は出来ている肝斑を消すのではなく、新しく肝斑が作り出される事をブロックする働きとなりますが、服用し続ける事で新たな肝斑が作られるのを防ぎ、古い肝斑がターンオーバーで消えていく事で解消していく事が出来ます。
今ある肝斑はレーザートーニングやハイドロキノンで薄く
新しい肝斑を予防するためにトラネキサム酸を服用しますが、すでに出来ている肝斑についてはレーザートーニングという技術やハイドロキノンというシミを薄くする外用軟膏が有効です。
そばかす(雀卵斑)
顔の中心部など左右対称に、茶褐色のクッキリとしたシミが点状に広がるそばかす。
主に遺伝的な要因のため、幼少期から思春期に発生する事が多いシミです。
光治療やレーザーで対処可能
そばかすはフォトフェイシャルやフォトRFといった光治療や、ダイオードレーザーなどで薄くする事が可能ですが、範囲が広くなりがちなため、レーザーよりも光治療が行われるケースが多いと言えます。
そもそも年齢とともに消えていくように、若い頃のシミであるため治療後はあまり再発を心配しなくても良いと言えますが、紫外線などを浴びると濃くなって目立つ場合があります。
太田母斑
シミというよりもアザの一種ですが、主に片目の周囲に青く広がった状態で出来るものです。
遺伝要素が強く、幼少期から発生します。
レーザー治療が可能で保険適応
太田母斑は保険適応により治療が可能です。
治療方法としてはQスイッチ付きのレーザーを照射する形が取られ、3~6回程度の治療で除去が可能です。
保険診療のため、治療金額はある程度固定となっており、3割負担の場合は範囲によって6000円~12000円程度で1回の治療を受ける事が出来ます。
後天性真皮メラノサイト―シス(ADM・遅発性太田母斑)
目の下や頬に左右対称で発生するもので、くっきりとしたシミが広がったような形で発生します。
20~30代の頃に発生し、左右対称で出来る事から肝斑などとも間違いやすい症状です。
シミの輪郭がくっきりしているものや、まぶたや額などにも出来ているものはADM。輪郭がぼやけて目元や頬にしかないものが肝斑といった判断基準になりますが、見分けがつきにくい場合もあります。
ADMは保険適応で治療可能
太田母斑同様、ADMも保険適応で治療が可能です。
治療にはやはりQスイッチ付きのレーザーが用いられます。
肝斑と似ていますが、肝斑治療のレーザートーニングでは効果範囲が浅いためADMを除去する効果は薄く、とはいえ肝斑だった場合にQスイッチレーザーを当てると悪化する場合があるので、経験症例が豊富な医師の診察を受けるようにしましょう。
光線性花弁状色素斑
背中や首など、強い紫外線によるダメージで出来るシミ。簡単にいえば、重度の日焼け跡です。
大きさが数ミリ程度の花びらのように見える事から、この名称がついています。
治療は主にレーザーが用いられますが、範囲が広いため価格も高額になりがちです。
摩擦黒皮症
文字通り、摩擦によって皮膚が黒ずんだ状態になる症状で、シミのように境目がくっきりはしていません。
首や背中、もしくは股など擦れる事が多い箇所に出来るもので、摩擦刺激によって作られたメラニンが肌に定着してしまう事によるものです。
背中に出来るものは「ナイロンタオル皮膚炎」とも呼ばれ、背中をゴシゴシとナイロンタオルで擦る事が原因となって出来るものです。
治療にはビタミンCやL-システインなどの飲み薬や、ハイドロキノンなどが用いられます。
炎症後色素沈着
ニキビの炎症や、傷の炎症によって作られた色素が定着する事で発生するものです。
炎症の残りであるため、主に茶褐色のシミで、殆どは時間経過とともに解消します。
但し、炎症が酷い場合には重症化して残ってしまう場合があるので、まずは早めに炎症を治すように治療する事が大切です。
色素沈着が真皮に及んでしまった場合は通常のターンオーバーで除去できないため、Qスイッチ付きレーザーなどで色素を分解して除去する場合もあります。
脂漏性角化症(老人性疣贅)
加齢などによって肌の代謝(ターンオーバー)が乱れ、古い角質が積み重なる事で膨らむ症状です。
盛り上がりが酷くなるとイボとして目立ちますが、まだ平たんな状態ではシミと同じような見た目となります。
液体窒素や炭酸ガスレーザーで保険適応治療が可能
脂漏性角化症はイボの一種ですので、保険適応での治療が可能です。
治療法としては液体窒素で細胞を凍結させて除去するか、炭酸ガスレーザーで焼き切ってしまう方法が主に用いられます。
範囲や場所によっては切除して縫合するという場合もあります。
液体窒素の場合は数百円、レーザーの場合は数千円がかかり、範囲や大きさによって治療費は変わります。
ホクロ(母斑細胞母斑)
シミではありませんが、ふくらみが少ないものはシミと間違われやすいものも多いホクロ。
ものによっては徐々に大きくなっていくため脂漏性角化症と混同しやすいですが、そこまで急激に増えたり大きくなるという事はあまりありません。
シミはメラノサイトが作り出すメラニンが原因ですが、ほくろはメラノサイト自体が変化するものなので性質が大きく異なります。
レーザーや切除手術での対応
ホクロは炭酸ガスレーザーなどで除去する事が可能。範囲が広い場合はやはり切除手術などが行われる場合もあります。
保険適応も可能ですが、ほくろの場合は日常生活に支障をきたしたり、悪性腫瘍である疑いがあるという場合にのみ保険適応での除去が可能となります。
まずは一度皮膚科で相談してみましょう。
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監修 吉木伸子
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