ほくろ除去は保険診療でも可能? その方法や価格は自費診療とどう違う?
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なぎ
ほくろがコンプレックスになっていたり、メイクの際に気になってしまうという人は多いと思います。ほくろは万人に共通して現れるものですが、ひとたび気になり始めると厄介な存在になりがちです。
ほくろに対する悩みを抱える人は多く、現代では皮膚科や美容整形外科などの医療機関を始め、エステサロンなどでも手軽にほくろ除去が可能になりました。ごく短時間で安価に受けられることから利用者は増加傾向にあると言われています。
そんなほくろ除去ですが、健康保険が適用される保険診療なのか、健康保険が適用されない自由診療(自費診療)なのかは曖昧に認識している人がほとんどのようです。そこで今回は、ほくろ除去について保険が適用される際の条件や、自由診療との違い、予備知識などを含めて解説します。
保険が適用されるほくろ除去の3つの条件
ほくろ除去にあたり保険が適用されるには、保険診療が可能な医療機関であること、ほくろの症状、そして治療方法の3つの条件があります。これら3つの条件が満たされていれば保険診療の対象になります。
ほくろ除去は基本的には医療行為に該当するため、エステサロンなどではなく医療機関で受けることが保険診療の最低条件です。なかでも皮膚科で受けることが望ましく、美容整形外科や美容皮膚科などは保険診療に対応していないことがあるので注意しましょう。
ほくろの症状は千差万別で、良性腫瘍もあれば悪性腫瘍もあります。これらの判断は素人目では出来ないため、医師による診断を受けることが必要です。この際の医師の診察結果によって保険診療が適用されるかが決まります。
ほくろ除去には複数の施術方法があります。一般的に保険診療に該当するのは、切除縫合法、電気分解法、くり抜き法などの切開と縫合を伴う術法です。近年で主流になりつつあるレーザー治療は保険診療に該当しないことがほとんどです。
このように保険診療が適用されるほくろ除去には3つの条件があることを知っておきましょう。
見極めは医師の診察が不可欠
ほくろはメラニン色素を生成するメラノサイト系細胞が局所的に増殖異常を起こすことで生じます。正確には色素性母斑や母斑細胞性母斑などと呼び、これらの症状は世界保健機関(WHO)の下部組織である国際がん研究機関(ARC)によって良性腫瘍と定義付けられています。(WHO分類)
つまり、ほくろ(色素性母斑)の存在は人体への害はないため、ほとんどの場合においてほくろ除去治療は健康保険が適用されない自由診療に該当します。
しかしながら、ほくろの症状とよく似たメラノーマと呼ばれる悪性腫瘍や、出血や肥大化などの症状が進行する場合、さらに日常生活に支障をきたす場合など、医師によって除去が不可欠と判断された場合に限っては保険診療が適用されます。
このことから、ほくろ除去にあたり保険が適用されるかどうかは自身では判断できず、医師による判断が必要と言えます。なかでも、見た目は普通のほくろに見える悪性腫瘍(メラノーマ)の可能性もあるため、例え美容目的であっても始めに医師による診断を受けることを推奨します。
ほくろ除去治療とは
一言でほくろ除去と言っても、現代の医療では様々な治療法が確立されています。むかしから広く知られている「くり抜き法」と呼ばれる切開を伴う方法を始め、近年ではレーザー光を使用したレーザー治療なども浸透しています。
レーザー治療
近年では最も主流とされているのがレーザー治療です。短時間で複数のほくろを除去できることから効果や利便性に長けていると言えます。レーザーを使った治療は医師資格を持った人にしか出来ないため、皮膚科や美容外科などの医療機関で実施されています。レーザー治療は自由診療に該当することがほとんどですが、どの医療機関でも保険診療と大差ないほどの低価格で実施されていることも事実です。
切除縫合法
メスを使って皮膚を切開し、ほくろを根元から除去する方法です。比較的大きめのほくろに対して有効とされており、ほくろが再発しにくいことなどが特徴です。術後は縫合が必要なため、皮膚が頻繁に稼動する部位のほくろには適していない欠点があります。切除縫合法はほくろの症状によっては健康保険が適用される保険診療に該当します。
電気分解法(電気メス)
高周波電気治療器を使ってほくろを削り取るように除去する方法です。ほくろの表面を削るため、根が深いほくろには適していませんが、小さくて根が浅いほくろの除去には最適とされています。切除縫合法と同様に、ほくろの症状によっては保険診療で受けられます。
仮に、医師によってほくろの除去が必要な悪性腫瘍と判断されても、レーザー治療のように施術方法によっては保険診療にはならないこともあることを覚えておきましょう。
ほくろ除去の自由診療と保険診療の主な違い
ほくろ除去において、自由診療と保険診療の主な違いはコストと施術方法のふたつです。
コスト
ほくろ除去の際に保険診療を受けるには、保険診療に対応している医療機関であることの他に、医師によってほくろの除去が不可欠と判断されることと、保険診療の対象になる施術方法であることが条件です。これらの条件を満たしている場合は、保険診療の方がコストを抑えられます。
一方で、これらの条件を満たしていなくても美容外科などで提供されているレーザー治療を自由診療で受けることも有効です。なぜなら、レーザー治療によるホクロ除去は、ほくろの大きさが小さいなど場合によっては安価になるため、保険診療でなくても金額的な負担が軽いためです。
むしろ、保険診療の方が諸条件が多く、利便性に欠ける施術方法しかないため、あえて自由診療でレーザー治療を選択する場合もあります。このことから、ほくろ除去は必ずしも保険診療の方がコストを抑えられるとは限らず、利便性や日常生活への支障を考慮して総合的に判断することが望ましいでしょう。
施術方法
ほくろ除去の際に保険が適用される施術方法は、切除縫合法やくり抜き法、そして電気分解法です。炭酸ガスレーザーやヤグレーザーなどを使用したレーザー治療は原則として保険適用外とされています。
このことから、レーザー治療は自由診療で受けることが条件ですが、実質的に多くの医療機関では安価で提供されており、大きさが3ミリから5ミリ程度までのほくろであれば数千円程度で済むことがほとんどです。
ほくろ除去における予備知識
3ヶ月に1個まで
ほくろ除去は条件が満たされれば保険診療で受けられます。しかしながら、医療保険制度の規則によって、保険制度を使った縫合を伴うほくろ除去は3ヶ月に1個までという決まりがありますので、複数のほくろ除去を希望する場合はスケジュール調整や施術方法の再検討など予め注意が必要です。
組織病理検査
保険診療でほくろ除去を受けた場合、除去したほくろは病理検査に出されます。病理検査とは、そのほくろが良性か悪性かを判断する検査で、保険診療の場合は必ず実施されます。これに対して、自由診療のレーザー治療では病理検査は実施されないため、除去したほくろが良性か悪性かを知ることが出来ません。
まとめ
ほくろ除去は条件さえ満たせば保険診療で受けられます。ただし、それらの条件を満たさなくても自由診療でレーザー治療を受けるという選択肢があります。ほくろの症状によって異なるものの、保険診療と自由診療にはコスト面で大きな差が生じない場合もあるため、まずは皮膚科などの医療機関で保険診療によるほくろ除去の対象かどうかを診断してもらうと良いでしょう。
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