真逆のようで実は同じ。ターンオーバーの早い&遅い原因と解決法
公開
なぎ
スキンケアで最も重要な事は「ターンオーバーを正常に促す」事と言えるくらいに、ターンオーバーというのは重要なキーワードです。
そのターンオーバーについて、世の中には「早いから遅らせる」または「遅いから早くする」といった話が多くありますが、実はそれが両方とも同じ事が原因で発生するって知っていましたか?
勘違いしやすい肌のターンオーバーについて、紹介します。
そもそもターンオーバーとは?
人の肌は、基底層という部分で日々新しい細胞が作られ、一定の周期で新しい細胞が徐々に肌表面に移動し、最後は垢となって剥がれ落ちるというサイクルをもっています。
これが肌のターンオーバーと呼ばれるもので、日々新しい細胞へと入れ替わり続ける事で、肌は美しく健康な状態を保てています。
ターンオーバーとはそもそも「入れ替わり」という意味で、肌が入れ替わる事を示している言葉です。
肌がダメージを受けるとターンオーバーが早まる
通常は一定の周期で行われているターンオーバー。
しかし、例えば肌に傷が出来たり、日焼けしたりと肌の細胞がダメージを受けると話は変わってきます。
肌がダメージを受けた状態を放置しておけば、人の体が外部からの刺激を受けやすくなってしまうので、外部の刺激やダメージから身を守るために新しい細胞をどんどん作るようになります。
新しい細胞を作る速度が上がるという事は、細胞の入れ替わりが早くなりますので、ターンオーバーが早くなると表現されます。
ターンオーバーが早くなりすぎると、今度は遅くなる
さて、ここまでは簡単なのですが、問題はここから。
肌のバリア機能を急いで回復させようとターンオーバーが早くなると、二つの問題が発生し、今度は逆にターンオーバーが遅くなります。
未成熟な肌が表面に出てきてしまう
一つ目の問題は、肌の細胞が未成熟な状態で表面に出てきてしまうという事。
通常、新しく出来た肌の細胞は、部位にもよりますが約1か月かけて、徐々に細胞の中の油分などを排出しながら、肌の表面まで上がってきます。
細胞の中身が出ていく事で、肌の細胞を埋める細胞間脂質(セラミドなど)が作られると同時に、外部からの刺激に対する守りが強くなるのです。
しかし、肌のターンオーバーが早まっている状態ではこうはいきません。
通常1か月かけるところを、数週間で肌が表面に出てきてしまうので、細胞がまだしっかり保湿などバリア機能を作れていない状態で出てきてしまうのです。
未成熟な細胞ではダメージをバリア機能が不十分なため、新しい細胞はどんどん作られ続けます。
そして、未成熟なまま表に出た細胞は紫外線や乾燥ダメージを受けすぐに硬くなるので、これが積み重なって角質が厚くなる(ターンオーバーが遅くなる)のです。
細胞を剥がす機能も弱まる
硬く保湿機能のない細胞が増えてしまうだけだったら、そのうち垢として剥がれれば問題ないと思うかもしれません。
しかし、ここで二つ目の問題。
通常、肌の細胞はセラミドなど細胞をくっつけているものを分解する酵素の働きで、古い角質が自然と剥がれるようになっています。
しかし、肌が未熟な状態で増えてしまっている状態では、この分解酵素なども充分な量がないため、古い角質がなかなか剥がれず、厚い層になっていってしまいます。
こうした二つの問題によって古い角質細胞が肌に残り続ける事になり、ターンオーバーが早くなっていたはずが、気づけば中々肌が新しいものに入れ替わらない「ターンオーバーが遅い」状態になってしまうのです。
代謝の低下でただ「遅くなる」場合もある
以上のように、スキンケアで言う所のターンオーバーが遅くなるというのは、多くの場合、ターンオーバーが早くなった結果として発生するものですが、ただ「遅くなる」場合もあります。
それは加齢や栄養不足によって、新しい肌が中々作られなくなってしまった場合。
単純に代謝が低下する場合については、新しい細胞が出来ないため古い角質も剥がれ落ちる事が出来なくなり、ターンオーバーが遅くなります。
どちらのパターンで「遅くなっている」のかという見極めが重要
ターンオーバーが遅くなって肌が硬くなるという状態は、肌のバリア機能低下から引き起こされたものなのか、加齢などによる代謝低下によるものなのかという見極めが重要。
というのも、肌のターンオーバーが遅い場合にはケミカルピーリングなどでターンオーバーを促進するという方法がよく紹介されますが、肌のバリア機能が低下して引き起こされた結果なのに、再度ケミカルピーリングを行ってしまったら逆効果。余計に肌がダメージを受けるだけになってしまいます。
しっかりとどちらのタイプかを見極めて、適切なスキンケアを行う事が大切なのです。
乾燥やニキビなどのトラブルは早い場合が多い
具体的にどうやって見極めるかについてですが、ターンオーバーが一時的に早くなり、その後に硬くなったパターンでは、そもそも肌のバリア機能低下が原因なので肌が粉を拭くような、乾燥や乾燥からのピリピリ感が気になる状態が多くなります。
また、代謝自体は活発なのでニキビなどのトラブルが起こりやすいのも特徴の一つ。肌が硬いだけではなく、こういったトラブルが発生しているのであれば肌を薄くしてターンオーバーを促進するようなケアはやめて、保湿などによって肌のバリア機能を高めるケアを中心に行うようにしましょう。
シミやシワなどのトラブルが気になる場合は代謝低下の可能性
一方、肌が厚く硬くなるという他に、シミやくすみが気になったり、シワが気になったりという場合には単純に代謝が低下してターンオーバーが遅くなっている可能性が高いといえます。
保湿によって肌のバリア機能を高める事ももちろん大切ですが、そもそも代謝が弱っていると肌の生まれ変わりも起こらず、シミやシワといった肌トラブルが重なっていってしまうので、ピーリングなどによって代謝を促す事も有効なケア方法となります。
自分の肌をちゃんと理解して適切なケアを
「肌が厚く、硬くなった」という点では同じように思える場合でも、その原因によって対策方法は真逆。
ターンオーバーを促進する商品が多く出ている反面、実際にはターンオーバーが早すぎるタイプの人が多いというのも事実ですので、自分自身の肌の状態をしっかりと見極め、しっかりと原因から改善できるケア方法を選択しましょう。
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