脂肪吸引の失敗で死亡することも!?
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脂肪吸引の最大のリスクとして、死亡事故が発生したという事を聞いた方もいるのではないでしょうか。
実際、脂肪吸引によって発生した医療事故の内、最も重篤なものとして死亡事故も発生しているのですが、その原因やリスクを回避するための方法を解説します。
脂肪吸引の失敗による死亡事故
脂肪吸引によって死亡事故が発生する確率は、FDA(アメリカの厚生労働省のようなもの)によると、脂肪吸引が10万回行われれば20~100人が死亡する可能性があるとされています。
10万人に100人とすると、その割合は0.1%。なんと1000人に1人は死亡事故につながってしまうという事になるのです。
ただ、これは現在のように脂肪吸引によって発生する医療事故の原因などが明確でなかったり、脂肪吸引の技術が未発達な状況であったりという頃のデータも含むため、現在ではもう少し可能性が低いといえます。
日本では、2009年に脂肪吸引を受けた女性が2日後に脱水症で死亡してしまった医療事故が有名ですが、実は大きく報道されていないだけで脂肪吸引が関連するとされている死亡事故も数例発生しています。
死亡事故が起こる原因とは?
脂肪吸引によって死亡事故が発生してしまう原因には、以下のようなものがあります。
脂肪塞栓症
脂肪吸引特有の症状として、脂肪塞栓症というものがあります。
これは脂肪吸引によって皮膚組織から剥がれた脂肪の固まりが血管内に入り込んで血栓になる事で、血管を詰まらせてしまうもので、これが肺や脳の血管でおこってしまうと呼吸困難や脳梗塞などの重大な症状になる事があります。
術後の感染症
脂肪吸引の際、使用する器具や治療後の傷口などから感染症にかかる場合があります。
なかには壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)という、組織を壊死させる感染症など致死率が高いものあり、脂肪吸引による重篤な後遺症の一つになっています。
感染症を防ぐため、しっかりと設備が整った医院を選択する事が重要です。
出血死・内臓損傷
脂肪吸引の際、内臓などが傷ついてしまう事で出血を引き起こし、それが原因となって死亡してしまうというもの。
内臓などが傷ついてしまう状態としては、出血ではなくても発生している場合があり、日本国内にて発生した2009年の事故では腹壁や腸を損傷した結果、2日後に脱水症で死亡というものになっています。
麻酔による副作用
脂肪吸引を行う際の麻酔を投与しすぎた場合、麻酔中毒を引き起こす事があります。
症状の出方によって、呼吸困難や筋肉の痙攣からの心停止など、重篤な症状となる場合があります。
美容医療関係では麻酔によってトラブルが発生するケースが多いため、麻酔の専門医の存在など、麻酔の取り扱いが適切に行える医院を選ぶ事は、失敗しないための大きなポイントとなります。
体液不均衡
脂肪吸引により体の中の体液のバランスが崩れると、体液不均衡という状態が発生します。
これが原因となり、帰宅後に急性肺浮腫などの症状が発生し、呼吸困難などのトラブルになる場合があります。
術後、体調に異変を感じたら?
脂肪吸引は体への負担がとても強い施術ですので、術後に体調への異変を感じたら、それが多少の違和感程度であったとしても、すぐに医師に相談するくらいの慎重さで受ける方が良いでしょう。
特に、下記のような症状が発生した場合は早めに処置をする事で解消できる場合もありますので、なるべく早めに連絡をするようにしましょう。
施術する前に、クリニックが営業していない時間の時などの連絡先なども確認しておくとより安心です。
強い痛みや痺れが引かない
通常、脂肪吸引後の痛みは当日がピークで徐々に和らいでいきますが、逆に翌日以降に痛みが増しているように感じる場合、術後の圧迫方法などに問題がある場合もあります。
場合によっては組織が傷ついて内出血が酷くなってしまったり、神経が圧迫されてしまっていたりという場合なども有りますので、早めに医師に相談しましょう。
尿や汗が出ない
脂肪吸引後、尿や汗が全くでなかったり、異常なほど濃い色の尿が出たりする場合、脱水症状を引き起こしている可能性があります。
術後は痛みなどが原因で動く事がつらい場合があり、水分補給を怠ってしまう事もありますが、脱水は生命に影響を及ぼす事もありますので、水分はむしろ多めに摂取するようにしましょう。
また、水分を摂取していても尿がでないなどの場合は、より大きな問題になっている可能性もありますので、すぐに医師への連絡を行いましょう。
呼吸の苦しさや意識が薄れる
脂肪吸引の大きなトラブルのうち、脂肪塞栓症や体液不均衡などは呼吸困難や、血管が詰まる事による意識障害などを引き起こすものです。
トラブルが発生していれば解消できるかどうかは時間の経過が大きく影響しますので、すぐに処置を行えるようにしましょう。
重大なリスクを避けるために、慎重な病院選びを
脂肪吸引は技術が発達してきているとはいえ、まだまだ危険性の高い施術である事は間違いありません。
そもそも脂肪吸引を行うためにはしっかりとした事前検査などを行い、適切なプランを立てる事が必要不可欠です。
カウンセリングからそのまま脂肪吸引を受けたり、値段の手頃さで決めたりせずに、しっかりと施術体制が整った、安全重視の病院を選ぶようにして、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
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