脂肪吸引によって失敗がおこった場合の対応は、基本的にクリニックによってそれぞれ決められています。
そもそも、失敗という線引き自体が難しいもので、そもそも完全な医療ミスと呼べるものから、医療としては成功でも美容的には失敗と感じるもの。思っていたほどの変化が出なかったというものまで分かれるため、ケースバイケースのものとして個別に考える必要がありますが、クリニックでの事例などから大体の線引きを紹介します。

脂肪吸引の手術に関する完全な返金が認められるケースとしては、完全にクリニック側のミスによる失敗があった場合でしょう。

例えば、内臓を傷つけてしまうなどの重大な医療ミスがあった場合や、カウンセリングでの説明時と全く異なる結果になり、証拠となるものが残っているようなケースです。

医療事故となるようなケースの場合には、返金だけではなく示談による慰謝料などが支払われるようなケースもあります。

ただ、これらは原則として「明らかな」クリニック側のミスという場合ですので、脂肪吸引の際に少し凹凸が生じてしまったなど、通常起こり得るような症状の場合、返金とまでなる場合は稀でしょう。

脂肪吸引については、クリニックによって保証制度を設けている場合もあります。
保証制度の内容はクリニックによって異なりますが、理想と異なる仕上がりになった場合に、調整のための再手術を行ってくれるものや、施術後の診察や薬の処方などを無料対応するようなものが多くなっています。
ただ、やはり脂肪吸引は体質などによっても完全に理想の体型になれるものとは限らないため、保証とはいっても返金まで保証するようなものは難しいでしょう。

脂肪吸引を受け、その結果を失敗と感じながら、クリニックの対応が納得できないような場合には消費者センターに相談してみる事も一つの方法です。
消費者センターには年間多くの美容医療関連のトラブルも寄せられているため、似たような事例から解決方法を相談できる場合があります。
相談する時のためにも、クリニックの説明内容などは可能な限り文章などで残せるようにしておくと良いでしょう。

脂肪吸引によって作られたボディラインが満足できない場合、再手術によって修正を行う事も可能ですが、修正したい部位や状態によっては対応が難しい場合もあります。

修正が可能なケースとしては、脂肪が残り過ぎて理想状態とならなかった場合です。
この場合、再度必要な分量の脂肪を除去する事で調整が可能なため、再手術によって理想のボディラインを目指していく事が可能です。

また、脂肪を除去しすぎてしまった場合でも、他の部位に脂肪が多く残っている場合、そちらから脂肪を移動させる事で修正が可能になる事があります。
ただ、注入に必要な脂肪の分量が多いと完全な修正は難しくなりますので、あくまでも微調整という範囲で考えた方が良いでしょう。

前述のように、脂肪を除去しすぎてしまった場合、基本的に修正は困難となります。
そのため、不安な場合は少し脂肪を残すくらいの形で施術を行い、施術後にダイエットなどを行うようにした方が、失敗の可能性は減少します。

また、脂肪吸引による凸凹などが、脂肪を除去する分量によるものではなく、皮膚組織などが傷つく事によって発生している場合、調整は困難です。
そういった症状を早く解消するための方法について医師と相談し、対応してもらうようにするようにしましょう。

脂肪吸引は、失敗した時の修正が行いにくい施術の一つでもあります。
また、金額が大きいため完全な返金などもなかなか応じられにくいという特徴があります。

そのため、脂肪吸引については失敗した時にどのように対応してもらうか。ではなく、失敗しないクリニックをいかに選ぶかという事が重要。
症例や口コミ、発信情報などから医師の技術や経験を確認し、失敗しないクリニック選びを心がけましょう。