痒い肌トラブル「湿疹」は種類別に原因や治療法が異なる

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恐らく誰もが一度は経験したことがあるであろう「湿疹」ですが、実は様々な種類があり、原因もそれぞれ異なることはご存知でしたか?
症状が違うように治療法も異なるため、湿疹の解消には正しい知識を身につけておくことが必要不可欠と言えるでしょう。

そこで今回は、湿疹の種類や原因、そして治療法などの基礎知識をご紹介したいと思います。とくに赤ちゃんや小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、いざという時に慌てずに済むように参考にしてください。

湿疹が起きる原因

湿疹には様々な症状があり、その症状によって外的要因や内的要因など原因は異なるとされています。なかには、原因が特定できない湿疹もあるため、一言で湿疹の原因はコレと特定できるものではありません。

しかし、どのような湿疹でも共通していることとして「肌バリア機能の低下」が挙げられます。
人は通常時であれば、肌は外部からの様々な刺激に対して、表皮と呼ばれる肌のもっとも外側の部分と、それを覆う皮脂膜で体を守っているのですが、この機能が低下してしまう事で湿疹の状態となってしまうのです。

具体的には、表皮や皮脂膜は、紫外線や埃、細菌、花粉などが体内の細胞を破壊することを防いでいるわけですが、肌のバリア機能が一時的に低下すると、これらの外的要因が細胞内に侵入してきます。
その際に、体を守るための生理活性物質が放出され、その働きの影響を受けて炎症や湿疹として表面化するのです。

湿疹の原因は様々ですが、基本的なメカニズムとしては、肌のバリア機能が低下してしまう事により、別の方法で体が防御反応をするようになり、その影響として湿疹が発生するものと考えていいでしょう。

湿疹の種類

湿疹には様々な種類があります。症状によって名称も異なり、接触性皮膚炎、脂漏性湿疹、内因性湿疹などがあります。

湿疹の種類はその症状で区別されていますので、症状を見極めることで種類を推測できます。
湿疹には主に、かゆみ、ぶつぶつやざらざら肌、水ぶくれ、化膿、ただれ、かさぶた、落屑(らくせつ)などがあります。

接触性皮膚炎

最も多い湿疹の症状は、接触性皮膚炎と呼ばれるもので「かぶれ」とも言われます。
他の症状よりも分かりやすく、何かと接触した部分だけがかゆみを伴う炎症を起こしている状態です。

脂漏性湿疹

脂漏性湿疹は、皮脂の分泌異常によって起こるもので主に鼻の周辺に現れます。
赤ちゃんに多く見られる症状ですが、成人でも男女問わず発症します。マラセチアと呼ばれる常在菌が皮脂内で過剰に繁殖することでも起こります。

内因性湿疹

内因性湿疹は、免疫力の低下、遺伝、ストレスなど原因が特定できないものがほとんどです。不安や鬱状態でも発症することがあり、生活環境が変わることで改善されることもあります。ちなみに、アトピー性皮膚炎はこれに該当します。

この他にも、水仕事による乾燥が原因の皮脂欠乏性湿疹(乾皮症)や、金属アレルギーや、洗剤による刺激などが原因とされる、神経性皮膚炎のビダール苔癬(たいせん)などがあります。

湿疹が出やすい場所

湿疹は症状によって現れる場所も異なります。主に、顔、首、胸、腕など外部からの刺激が多い箇所に共通していると言えます。赤ちゃんはオムツの着用によってお尻に湿疹が出来ることもあります。

接触性皮膚炎が発生しやすい箇所

接触性皮膚炎は、皮膚に接触した様々な物に対するアレルギー反応です。
そのため、手や顔、首などに症状が出やすいとされています。
洗濯用洗剤による刺激が強い場合は、全身に湿疹が出ることもあります。外部との接触が多い場所に現れやすいとされています。

脂漏性湿疹や皮脂欠乏性湿疹が発生しやすい箇所

脂漏性湿疹は、皮脂の分泌が多い顔や頭部、胸や背中などに出やすいのが特徴です。いずれも皮脂を分泌する皮脂腺が集中している箇所です。
また、皮脂欠乏性湿疹は、肌が乾燥しやすい手、腕、脚など外部に晒されることが多い部分に集中しています。

このように様々な種類がある湿疹ですが、症状が現れる場所からも湿疹の種類を推測できると言えます。

こんな湿疹が出たら要注意!

接触性皮膚炎は、自然治癒することがほとんどですが、湿疹は様々な症状があるため、出来る限り早めに医師による診察を受けて、症状を特定してもらい、症状に合わせた適切な処置を受けることが望ましいでしょう。

湿疹は、自然に治ることを待つのも良いですが、かゆみが止まらない時や、軽度ながら出血を伴う場合、水ぶくれ、化膿などの症状がある場合は必ず皮膚科医に診てもらいましょう。

このような症状の多くは「急性湿疹」に該当しますが、再発しやすい「慢性湿疹」に繋がることもあるため、早めに医師による原因の特定と、治療法を教えてもらいましょう。

【種類別】湿疹の治療方法

様々な種類がある湿疹ですが、それぞれの症状に合わせた治療が必要です。
ほとんどの湿疹は、ステロイド剤や抗ヒスタミン剤などの薬による治療が主流です。

接触性皮膚炎の主な治療方法

接触性皮膚炎の治療では、何よりも原因の特定が先決です。
何に対してアレルギー反応を起こしているのかを特定できれば、今後の予防にも繋がります。
診察後は、ステロイド剤や、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤が処方されることがほとんどです。

脂漏性湿疹の治療

脂漏性湿疹の治療は、炎症を抑えるステロイド剤と、マラセチアを抑えるための抗真菌薬が処方されます。
加えて、皮脂の過剰な分泌を防ぐために、規則正しい生活、ストレス解消、十分な睡眠など生活習慣の見直しが求められます。

内因性湿疹は治療が難しい

内因性湿疹は、原因が特定できないことがほとんどのため、根治するための明確な治療法はありません。
炎症やかゆみを抑えて悪化を防ぐことはできても、根本的には治すことは難しいとされています。

その他の湿疹の治療や予防

この他、皮脂欠乏性湿疹やビダール苔癬は、肌から油分を奪う原因の特定や、刺激物を避けることで改善と予防が可能です。

様々な種類がある湿疹ですが、治療にあたり原因の特定と生活環境や習慣の見直しが大切と言えます。

子供や赤ちゃんに出た場合は?

赤ちゃんや小さな子供こそ湿疹を発症しやすいとされていますが、まずは小児科で診てもらいましょう。
赤ちゃんや幼児は、肌バリア機能や汗腺が未発達ですので、成人と比較して湿疹が出来やすいのは当然と言えます。

とくに乳児湿疹は成長段階で必ず通る道として考え、日頃から肌を清潔に保ち、オムツや衣類、寝具をこまめに交換することを心がけましょう。
加えて、症状が少しでも悪化しているようであれば小児科で診てもらい、発熱や感染症を発症する前に対処しましょう。

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