金の糸でフェイスラインのたるみは解消できる? メリットやデメリットは?
なぎ
年齢とともに気になってくる顔のシワやたるみ。仕方のないことだと分かっていても、鏡を見るたびに若い頃の自分と比較してどんよりした気持ちになることもありますよね。そんなシワやたるみに悩んでいる方々の間で、今話題となっている「金の糸」を使った治療をご存知ですか?今回は、金の糸の効果、メリット・デメリットについてご紹介していきます。
美容整形の「金の糸」ってどんなもの?
金の糸とはその名の通り、シワやたるみの気になる箇所に純金の糸を埋め込んで、肌の若返りをうながす治療のことです。クリニックによって「金の糸」だったり「金の糸リフト」だったり、名称はいくつかありますが、基本的な施術内容はどれも同じです。
この金の糸を用いた治療法は、1969年にフランスのジーン・コークス博士が開発したものです。その後何度か治療法が改善され特にロシアで広がり、日本では2004年に金の糸の施術が解禁されることとなりました。金の糸自体は案外昔からある治療法のようですが、日本では治療が解禁されてから14年と、まだまだ歴史の浅い治療です。
金の糸治療のメカニズムですが、まず0.1mmほどの純金の糸を気になる部位に埋め込みます。するとその損傷を回復しようとして肌の細胞を作る働きが活性化し、肌の若返りにつながります。
なぜ金の糸なのかと不思議に思われる方もいるかもしれませんが、金は古来より美容に良いものとして知られています。あのクレオパトラも金を美容に用いていたという話もあり、エジプトでは顔に金の糸が巻きつけられたミイラが発掘されています。中国でも、およそ2500年前から金は万能薬としてあらゆる治療に用いられていたと言われています。また、金が美容に効果的だと言われることには理由があります。人間の体には常に微弱な電流が流れていて、この電流が肌の新陳代謝を行う働きをしているのですが、純度の高い金にはこの電流に非常に良く似た電流が流れているので、肌の新陳代謝促進が期待できます。また金は非常に安定した物質で酸化しにくいので、長期間肌に入れていても錆びることがありません。
金の糸にどんな効果があるの?
実際に金の糸を入れることでどのような効果があるのでしょうか?
肌に金の糸を埋め込むと、まず埋め込まれた金の周りにマクロファージという免疫細胞が集まり、マクロファージによる刺激でコラーゲンや毛細血管が新しく生成されていきます。それによって栄養分が吸収しやすくなったり、老廃物を排除しやすくなったりして、肌の新陳代謝が活性化します。自分の肌が本来持っていた力を呼び起こすことで肌の若返りを促し、シワやたるみの減少が期待できます。それ以外に、肌のターンオーバーの活性化も期待できるので、ターンオーバーによってメラニンや老廃物を排除し、美白の効果もあります。これらの効果が表れるまでには個人差もありますが、2~3週間で効果が現れてきて、3~6ヶ月もすればほとんどの方がその効果を実感することができるようです。
ただし、厚労省・日本医師会認定の団体である日本美容医療協会のHPでは、金の糸で得られると言われる効果を裏付ける科学的な根拠やエビデンスは無いし、かといってこの治療法を完全に否定する根拠も無いとしているので、効果には個人差があると言う事は理解しておきましょう。
金の糸のメリットは?
金の糸はメスを使用しない施術ですから、麻酔も局部的で済み、傷跡が残ることもなく、体にかかる負担が少ないというメリットがあります。手術時間も40分から1時間程度で済みますし、ダウンタイムも2~3日、長くても2週間程ということなので、日常生活に支障がない範囲で施術を受けることが可能と言えます。入浴と洗顔も手術翌日から可能です。また金の糸はその効果の持続性も高く、一般的には8年~15年程効果が続くと言われていますので、一度施術してしまえば長期間に渡って肌の若返り効果を期待できます。
糸の力で物理的に肌を引き上げてシワを伸ばすというものではなく、肌本来の力を活性化させて効果を得るという治療法ですから、自然なリフトアップ効果があるという点も特徴です。
デメリットはある?
ここまでいいことずくめと言える金の糸ですが、やはりそれなりにデメリットはあります。
金によるアレルギー
これまで金はアレルギーになりにくい物質とされてきましたが、金の糸による金属アレルギーを発症し、顔面が赤く腫れあがり、金の糸の先が出てきてしまったという症例があるようです。体内に埋め込まれた金が溶け出し、体内のタンパク質と結合してアレルゲンと呼ばれるアレルギーの原因となるタンパク質に変化することで、アレルギーになります。パッチテストで金アレルギーと診断されなくても、後々アレルギーを発症することもあるので、将来的に金アレルギーとなる危険性はあります。
アレルギーが出たら金の糸を抜いてしまえば良いと思われるかもしれませんが、金の糸は時間とともに断片化していくため、摘出は時間が立てば立つほど難しくなっていき、完全に抜き取るのは不可能と言われます。
他の治療を受けられない可能性も
2016年に、金の糸が埋め込まれているためMRI検査が受けられなくなったとして美容整形クリニックが訴えられるという事がありました。MRI検査では体に電流を流すので、金属のある部分に電流が集中してやけどをする恐れがあるため、金糸等がある患者には原則MRI検査を行わないようにMRIメーカー等では推奨しているようです。ただし医師によっては機器の出力を弱めることでMRI検査も可能という立場をとっている人もいるので絶対に受けられないという訳ではないですが、病院によっては検査を断られる可能性があることは覚えておいたほうが良いでしょう。
同様に、高周波を顔に照射するサーマクールやレーザ治療などは、やけどの恐れがあるため金の糸を入れている方は施術を受けることができません。金の糸以外で受けたい治療がある場合、金の糸が入っていても大丈夫かどうか一度確認することが必要です。
日本ではまだ新しい治療法
先に説明した通り、日本で金の糸治療が解禁されてからまだ14年程です。メスを使わないという簡単そうな治療に思えますが、肌の曲線に合わせて正確に金の糸を挿入するには高い技術と経験が必要となります。ですからクリニックを選ぶ時には、そのクリニックでどの程度の症例があるのか、信頼できる医師かどうかを見極めることが大切です。また本来純金でなければいけない金の糸ですが、18Kの製品も出回っていると言われています。純金で無い場合不純物を肌に入れることになり、アレルギーの危険も高まりますので、あまり値段が安いクリニックも注意が必要でしょう。施術を受けることを決める前に、メリット・デメリットについて納得いくまでお医者様と話をしてみましょう。
終わりに
ここまで金の糸について説明してきましたが、メリットだけではなくデメリットもあるということがお分かり頂けたと思います。デメリットを聞くと怖くなってしまいますが、実際に金の糸を入れている方は大勢いらっしゃいますし、効果が出ている人がいるのも事実です。デメリットを十分理解し、他の治療法とも比較するなどして、自分にこの方法があっていると思われる場合は、施術を受ける価値はあるのではないでしょうか。
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