シアバターの効果を有効利用して、美肌を目指そう!
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スキンケア用品でよく見かける「シアバター」という成分がどのような物で、どのような効果があるのかご存知でしょうか? 実は「アフリカの万能薬」として世界中に広まったユニークな背景があります。
現代では乾燥対策や保湿ケアに使われているシアバターについて、種類や特徴、気になる使い方などを含めてご紹介します。
シアバターとは?
シアバターは一般的には化粧品に使われる成分のひとつとして認識されていますが、もともとはアフリカのナイジェリアやガーナなどに広く生息しているシアの木の種子に含まれている植物性油脂のことです。植物性油脂のため「オイル」と表現してしまいがちですが、シアバターは常温で固形状のため「バター」と表現されます。
シアの木が生息している地域では、古くから燃料、傷や火傷の治療薬代わり、強烈な日差しから肌を守るための日焼け止め代わりとして使われてきました。ヨーロッパからアフリカに渡った人たちがシアバターに関心を持って自国に持ち帰ったところから化粧品や美容製品として世界中に普及するようになります。
研究の結果、シアバターは優れた保湿力とその持続性があることが判明し、他にも筋肉痛、白髪や抜け毛などの髪の毛の問題、日焼け後のスキンケアにも有効ということが分かりました。このことから様々な化粧品や美容用品に採用されるようになり広く普及したのです。
現代では量産するために人工的な処理が加えられた精製品や、天然の未精製品など種類が豊富です。シアバターはアフリカで生活している人たちの「生活の知恵」でもあるのです。
シアバターの種類
シアバターには、未精製品、精製品、さらにはオーガニック認証(ECOCERT)を受けた物など複数の種類があります。また、アフリカの現地工場や、シアバターの製造に従事する女性たちの活動を支援する団体へ寄付ができる製品などもあります。ここではシアバターを大きく二分する「未精製品」と「精製品」の違いを解説します。
未精製品とは、加工の際に化学薬品を用いていない物です。精製している物と比較すると、クリーム色や茶色をしており、わずかにココナッツのような香りがします。肌への浸透性や保湿力も高くスキンケアに向いていますが、微量な不純物が含まれていたり、保存期間が短く価格が割高なことが難点です。
精製品とは、大量に流通させることを目的として安定化させたもので、ヘキサンなどの石油系溶剤が含まれています。多くの製品は真っ白で香りがしないことが特徴です。酸化してしまう不純物が取り除かれているため、長期間の保存、成分の安定性で優れています。価格も安く、使い勝手が良い反面で石油系成分が含まれているために性質が変化していることが難点です。
このように、未精製品と精製品には人工的に科学成分が加わっているか否かの違いがあります。いずれもメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴を見極めたうえで選ぶといいでしょう。
シアバターに含まれる成分と効果
シアバターには保湿性に優れている成分を始め、自然治癒力の促進、老化現象の抑制などを補助する成分が含まれています。
人の皮脂に似た保湿成分
シアバターには、リノール酸やパルミチン酸など人間の皮脂と同じような脂肪酸が含まれています。これらは肌との親和性が高く、浸透性だけでなく持続性も兼ね揃えています。
そのため、シアバターを一度つけることで保湿効果が長時間続く効果があります。
自然治癒力を高める「アラントイン」
アフリカで傷や火傷の治療薬代わりに活用されてきたように、肌荒れや炎症を治すアラントインという成分も含まれています。保湿をしながら自然治癒力を高める効果があるとされています。
このほかにも多数の美容成分
この他に、カロチノイドと呼ばれる皮膚の再生化を促進する成分も含まれており、肌荒れを治す効果も見込めます。天然のビタミンEであるトコフェロールは、高い抗酸化作用で肌の老化を防ぎます。
シアバターは主成分のステアリン酸やオレイン酸以外にも、アラントイン、トコフェロールなど、肌にとって有効な成分が多く含まれています。
シアバターの効果的な使い方
シアバターは顔や手足に限らず、髪の毛など人体に広く使えることが特徴。その理由が人体との親和性の高さです。
ここでは、シアバターの効果的な使い方を部位ごとにご紹介します。
シアバターは溶かしながら薄く延ばして使う
始めに、シアバターは固形状の物ですので「溶かして使用する」という原則を理解しておきましょう。顔や手足につける際には少量ずつ手の甲などに乗せて体温で溶かしてから広げます。溶けづらい場合は室温で少し柔らかくしたうえで肌に乗せるとよいでしょう。
シアバターを顔に使う場合は、しっかり体温で温めてから薄く伸ばしますことがポイントです。とくに頬や口元など乾燥しがちな箇所に優しく伸ばして使うと良いでしょう。洗顔後に化粧水、シアバター、乳液の順でつけると水分補給と蒸発防止ができます。
広範囲に使う場合は入浴時に利用するのも有効
シアバターを手足など体全体に使う場合は、溶けやすいため入浴時に使うのがポイントです。とくに乾燥するかかと、ひじ、指先などを中心に優しく伸ばすようにしてつけましょう。酷いガサガサ肌を解消したい場合は、シアバターをつけた後にラップやビニール袋で覆って時間を置くといいでしょう。
髪の毛に使う場合ドライヤー前に
髪の毛のケアにシアバターを使う際は、シャンプー後にタオルで水分を拭き取った段階で柔らかい状態のシアバターをなじませましょう。髪の毛をドライヤーで乾かしても水分を保護しパサつきを抑制できます。また、頭皮のケアにも有効です。紫外線があたりやすく乾燥しがちな分け目に少量ずつつけるのが効果的です。
この他にも、シアバターは目元、リップ、爪などにも使えます。いずれの箇所でもシアバターは人体との親和性が高いため安全です。化学成分が含まれていない未精製品のシアバターは赤ちゃんの肌にも安心して使えます。
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