【美容整形の怖い話】重大副作用とリスク回避のために注意すること
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やなぎた
少し前までと比べて、整形を告白するタレントも増えて身近になってきている美容整形。
なんとなく「みんながやっている」と安心な気がしますが、実際にはまだまだ重大な副作用のケースも沢山あって、そんなに気軽にやりすぎるのは危険な面も。
今回は、実際にこれまでに発生してきている重大な副作用などの紹介とともに、リスク回避のための方法をご紹介します。
若いインフルエンサーの死亡事故
これはごく最近のニュースですが、メキシコでフィットネス系のインフルエンサーとして活躍していた20代の女性が亡くなるという重大事故が発生しました。
この方が受けようとした治療は「多汗症治療」で日本国内でも承認されている「MiraDry(ミラドライ)」という治療ですが、副作用を引き起こしたのはこの治療を行う直前の事。
ミラドライは熱によって汗腺を焼くという治療ですので、痛みを抑えるために麻酔を行うのですが、この麻酔を行った直後に心肺停止状態となり、まもなく亡くなったとの事です。
原因は服用していた「ステロイド剤」と麻酔の組み合わせによるものとの事ですが、施術を担当したクリニックには麻酔専門医がおらず、麻酔知識が不足した状態で臨んだ事がこのような事故に繋がったとされています。
ミラドライ治療は副作用も少なく安全性の高い治療方法なのですが、やはり医療ですから色々な点で考えるとリスクが無いというものではない事を改めて痛感させる事故だといえます。
麻酔によるトラブルは結構多い
この例のように、麻酔が原因となって発生するトラブルは、実は美容整形関連の事故としてはかなり多いもので、特に全身麻酔が必要な脂肪吸引といった大掛かりな施術では、重篤な副作用が引き起こされた例が報告されています。
医療ドラマなどでも麻酔のスペシャリストが重要なポジションにつくケースも数多くみられますが、麻酔というのは人体に対して負荷が非常に強く、扱いには豊富な知識と最新の注意が必要なものです。
リスクを回避するためには、しっかりと麻酔専門医や麻酔の取り扱い経験が豊富な医師のいるクリニックを選ぶ事が大切ですが、医師の知識などを知ることは現実的に難しいので、施術時に行われる麻酔の方法やそのリスクなどについてしっかりと答えてくれ、安心できる医師を選ぶようにすると良いでしょう。
簡単なヒアルロン酸注入でも失明などのトラブル
注射だけで手軽に行える治療として人気の「ヒアルロン酸注入」ですが、これも実は重大な副作用が発生するケースがあります。
例として、眉間を高くするために注射した場合に引き起こされる、失明。
もちろん可能性は非常に低いのですが、目の周囲にある血管や神経などが注入したヒアルロン酸によって圧迫されたり詰まったりしてしまうと、最悪の場合は目が見えなくなって回復しないというトラブルに発生する場合があり、実際に発生しています。
注入系治療も「解剖学」の知見が必要不可欠
こうしたトラブルが発生してしまう要因の一つに、ヒアルロン酸やボトックスなどの注射だけで行う治療は、手軽に行える分あまり知識が無い医師も施術を行っているという点が挙げられます。
いくら簡単な施術とはいえ、どの部分にどんな筋肉や血管、神経などが通っているかというのをしっかり把握していないと、注入する場所を間違えてトラブルを引き起こしたり、そもそも最適な場所に注射できずに効果が発揮されないという状況に繋がってしまいます。
できれば形成外科のように解剖学を理解しての治療を日々行っている医師や、症例数が多く幅広い状態に対応の経験を持つ医師を選ぶようにしましょう。
最新治療が後から「中止」される事も
治療が開始された当初は「最新治療」として輝かしいものに映っていても、後からそのリスクが発覚して中止されたり、あまり行われなくなるケースも数多くあります。
FGF注射治療
少し前から、再生医療の手法が美容治療分野でも利用されるようになってきていますが、まだ導入している医院数や症例も少ないころには、薬剤を注入した部位がボコボコした状態になってしまうなどのトラブルが多く報告されました。
多かったのは「FGF」という成長因子の注入で、このFGFとは皮下のコラーゲン組織を作る細胞などの働きを促進する効果を持つものですが、FGFによって細胞が過剰に働くと、コラーゲンなどが作られすぎて絡まりあい、注射した部分が固くボコボコとした状態になって戻らなくなってしまうというケースがありました。
こういった症例が多く集まった事で、現在ではFGF注射については推奨しないという医院も多く存在します。
金の糸治療
皮下に金でできた糸を挿入して、糸の周囲にコラーゲン組織が作られる事でリフトアップなどの美容効果があるとして人気になった「金の糸治療」。
これも、今ではあまり行われなくなったものの一つで、皮下に糸が残り続ける事で他の施術が受けられなくなってしまったり、安全性の高い金とはいえトラブルの可能性が0ではなかったり、そもそもより高い効果を発揮できる「溶ける糸」での治療が開発されたりといった理由から、日本国内では主流の治療ではなくなりました。
使用禁止になった「ベラジェル」
最近あったトラブルの一つに、韓国で製造されていた豊胸用インプラント(挿入するバッグ)の「ベラジェル」というものが、人体に使用を禁止されている樹脂を材料に使っているという事で発売禁止になったというものがあります。
直ちに問題が起こるものではありませんが、バッグが破損した際などにトラブルとなる可能性もあり、すでにインプラント豊胸を受けた方はこのバックの除去や入れ替えを行った方が良いなど、せっかく受けた施術をやり直さなければならないトラブルになっています。
美容医療が大きなビジネスとなり、海外からの製品や技術も増えてくるにつれ、こうした問題が増えてくる可能性もより高まりますので、値段だけではなく安全性などにはより高いレベルの注意が必要になるかもしれません。
トラブルを避けるためには医師、クリニックの慎重な選択が第一
いくら身近になって値段も下がってきているとはいっても、美容医療はやはり「医療」です。治療には大なり小なりリスクが存在しますし、そのリスクを最小限にできるのはやはり医師の技術やクリニックの設備が重要になってきます。
同じ施術でも何倍もの金額差がある事が珍しくないため、低価格のものに惹かれる事は当たり前なのですが、価格だけではなく医師の経歴やクリニックの口コミなどを調査して、本当に信頼できる医師、医院で受けるようにすることが、最終的に満足できる形にするため重要となります。
今より「良く」なれると期待したのに、今より「悪く」なってしまったら、そのショックは非常に大きなものになってしまいます。リスクを極力回避して、満足できる治療を受けられるように医師、クリニック選びはぜひ慎重に行いましょう
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