肌のクレーターは治るの? 原因やクリニックでの治療法について

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うさみ

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ニキビが出来やすい人を悩ます肌トラブルのひとつに「クレーター」があります。クレーターは化粧で隠せないほど深くなることもあり、一度できてしまうとなかなかキレイに治らない、非常に厄介な症状です。

今回は肌トラブルのなかでも絶対に避けたいクレーターについて原因や対策、さらには治療法についてご紹介します。

クレーター肌の原因

肌にクレーターが出来る原因は、ニキビなどの炎症によって真皮層や皮下組織が傷つくことがあげられます。

人間の皮膚は、表皮層、真皮層、皮下組織の3層構造になっています。ニキビを発症すると表皮層で炎症が起こりますが、多くのケースは表皮層だけが傷つき、お肌のターンオーバーによって表皮層は綺麗に生まれ変わります。
つまり、本来であればニキビは跡がほとんど残らず、綺麗に治るものなのです。

炎症が真皮層に及ぶと跡がのこるように

しかし、これが表皮層ではなく、真皮層や皮下組織部分まで炎症してしまうと状況は変わります。
真皮層は表皮の細胞を作り出している部分であり、肌にハリを持たせるコラーゲンなどを作り出している部分。この真皮層が炎症によって傷ついてしまうと、表皮細胞のターンオーバーにトラブルが発生したり、肌のハリが失われたりして、クレーターのようなニキビ跡が出来てしまう事になります。

ニキビが真皮層に到達する原因

ではなぜ通常は表皮層のトラブルで終わるニキビが真皮層に影響を与えてしまうかというと、一つは単純に菌が繁殖する状態が改善されず、炎症が悪化して深くなってしまうケースがあり、これを回避するためにも毎日のスキンケアは重要です。
他には、ニキビをつぶそうとして爪や指で押してしまったりして刺激を与える事によって、炎症が悪化するというようなケースもあります。
よくニキビを無理につぶしてはいけないというのはこれが理由で、炎症している部分を強く押したり、新たに刺激を加えたりしてしまうと、それが新しいダメージとなって炎症を酷くしてしまうため、ニキビを無理につぶそうとするのはやめましょう。

クレーター肌の状態

クレーター肌と一口にいっても、その状態は深さや形状によって区別されています。ここでは「肌の凹みの深さや広がり」で区別される症状についてご紹介します。

浅斑状瘢痕

表皮層から真皮層にかけて、やや浅めの凹みが出来る状態を「浅斑状瘢痕(せんはんじょうはんこん)」と呼びます。
ごく一般的なニキビ跡で、とくに皮膚が薄い女性に多い症状です。浅くても大きさによっては目立つこともあります。真皮層へのダメージが少ないことがほとんどのため、比較的簡単に治療可能とされています。

深真皮瘢痕

真皮層の奥深くまで凹んでいる状態は「深真皮瘢痕(しんしんぴはんこん)」と言います。名称の通り、真皮層の奥深くまで凹んでいるため完治は難しいとされています。
皮膚に厚みがある男性や、大きなニキビが出来た際に起こりやすいのが特徴です。

毛包周囲瘢痕

この他にも「毛包周囲瘢痕(もうほうしゅういはんこん)」と呼ばれる、毛穴の収縮機能が失われて、毛穴が拡張したままの状態で真皮層の深さまで凹んでいるものもあります。
深くまで凹んでいますが、広がりが小さいことが特徴です。

このように、クレーター肌の深さや広さによって、浅斑状瘢痕、深真皮瘢痕、毛包周囲瘢痕などに区別されています。

肌のクレーターの種類

クレーター肌のタイプは、その形状によっても分類する事ができます。ここでは「肌の凹みの形状」をタイプ別にご紹介します。

アイスピック型のクレーター

「アイスピック型」と呼ばれる凹みは、アイスピックのような鋭利な物で突き刺したように見えることからこう呼ばれています。逆三角形のような形状をしており、表皮層は2ミリ程度の広さがありますが、真皮層や皮下細胞など奥深くになるにつれて細くなります。見た目が毛穴に似ていることからクレーターと気がつかない人が多いことが特徴です。

ローリングタイプのクレーター

「ローリングタイプ」は4ミリ以上の幅で、凹みの面積が大きいことが特徴です。断面が浅いサラダボウルのような形状をしており、深さがないため比較的治療しやすいとされています。

ボックスタイプのクレーター

「ボックスタイプ」は名称の通り、肌が四角状に凹んだ状態です。クレーター肌のなかで最も典型的な形状とされていますが、深さはまちまちです。凹みの底が平らなため深さにかかわらず目立つことが特徴です。

クレーター肌の形状には、アイスピックタイプ、ローリングタイプ、ボックスタイプの3つがあることを知っておきましょう。

凹凸を目立たなくするクレーター肌のセルフケア

クレーター肌の凹凸は自分で治すことはできませんが、予防や目立たせなくことは可能です。セルフケアの代表的なことは、ニキビケアと生活習慣の見直しです。

クレーター肌は、肌細胞の状態が変化しているため自力で治すことは中々難しく、どちらかというと防ぐことの方が重要です。
そのためには、日頃からニキビが出来ないようにすることや、悪化させないことが肝心なのは当然ですが、ニキビが出来たときはメイクやクレンジングなどの刺激を避けて、炎症が悪化しないように心がけましょう。
使う化粧品は無添加の物にし、クレンジングや洗顔の際には摩擦を起こさないようにするのが鉄則です。

生活習慣の見直しはクレーター肌のケアにも重要なことです。とくに気をつけたいのは、十分な睡眠、適度な運動、バランスが取れた食事の3つです。いずれも肌のターンオーバーには欠かせないことで、適度な運動で血行促進とストレス解消をし、食事を通じてニキビ予防に効果的なビタミンA、ビタミンE、ミネラル、コラーゲンなどを摂取した上で、十分な睡眠をとりましょう。

クレーター肌を目立たなくするためには「予防」の意識が大切です。そのために、ニキビ予防と正しい生活習慣を心がけましょう。

肌のクレーターをうまく隠すメイクのコツ

クレーターは深さや形状によってはメイクで隠せる場合もあります。その際のポイントは、メイク前の十分な保湿と化粧下地です。

始めにメイク前の軽めの洗顔をし、毛穴やクレーターの汚れを洗い落としましょう。すぐに化粧水、美容液、乳液を使って保湿します。オイリー肌の人は乳液を控えめにし、乾燥肌の人は乳液を均等につけることがポイントです。時間に余裕があれば複数回に分けて行うとより浸透しやすくなります。メイクを始めるまでこの状態で最低でも3分から5分は放置しましょう。

化粧水や乳液がしっかり馴染んだら、下地を始めます。直接顔につけるのではなく一度手の甲につけてからTゾーン、両頬、Uゾーン、鼻筋の順で均一に伸ばします。下地をつけても目立つクレーター部分には、柔らかいリキッドタイプのコンシーラーをつけるといいでしょう。

その後のファンデーションやパウダーもクレーターを隠そうとせずに均一につけるのがポイントです。どの行程においても、クレーター部分を隠そうとするよりも、肌全体を均一な厚みにするほうが効果的です。

クリニックでできるクレーター肌の治療法

クレーター肌をしっかりと治すためにはクリニックで専門的な治療を受ける必要があります。クリニックで行われる代表的な治療法は、レーザー治療、針治療、FGF注射です。

レーザー治療

レーザー治療は、レーザーの力で細胞を刺激し肌を活性化させるという中長期的な治療か、レーザーで肌表面を削るようにして凹凸をなくす即時性がある方法が主流でしたが、最近ではレーザーで大量の細かい穴を皮膚に開け、クレーターを治療する方法が増えてきています。
クレーター状態の肌は細胞がクレーターの形で固まってしまっているため、一度レーザーでバラバラにしてから再生を促すという治療法により、根本から解消を行っていく事が可能なのです。
炭酸レーザーを利用したエコツーフラクショナルレーザーなど、クレーターを解消するレーザーも増えてきています。

針治療

針治療は、極細の針がついたローラーを肌にあてて、肌を再生化しようとする際に分泌されるコラーゲンを意図的に分泌させる治療法です。レーザーよりも刺激が少なく手軽なことが特徴です。
基本的には肌の再生力を高めるという治療方法ですので、まだ症状が深刻でないような肌や、凹みが浅いクレーターに効果的とされています。

FGF注射

FGFとは線維芽細胞増殖因子のことで、コラーゲンを作り出す「繊維芽細胞」の増殖や活動を促進する効果があります。
真皮層が傷つき弾力を失ってしまった部分に注射を行う事で、肌内部からハリを取り戻し、クレーターを解消していくというものです。
まだ細胞同士がくっついてしまっていないような場合であれば、FGF注射によってクレーターを治療するだけではなく、肌のハリを作っていく事も期待できます。

クリニックで施術されるクレーター肌の治療法は様々なものがありますが、レーザー、針治療、FGF注射など症状に合わせた方法が主流。それぞれの利点を上手く活用して、クレーター肌を解消しましょう。

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