肌の保湿はやりすぎもNG。肌タイプ別に必要な保湿ケアのレベルを解説

乾燥肌  
公開 

EXPERT

jobikai お悩み解決辞典

0 0

肌の健康や美しさを保つために一番重要なケア。それが保湿ケアです。
ニキビやシミ、シワをはじめ肌には様々なトラブルがありますが、その多くは肌の潤い不足が原因となって引き起こされてきます。
保湿こそスキンケアの王道。肌タイプ別のケアや、時間帯ごとにどのような保湿ケアが重要になるかを解説します。

肌タイプ別保湿ケアの基本

肌の保湿ケアを考える際、誰でも同じようなケアが最適というわけではありません。
肌には大きくわけて「普通肌」「脂性肌」「乾燥肌」「混合肌」の4タイプがありますが、それぞれのタイプ別に保湿ケアで注意するべき事が異なります。

普通肌のケアは「過剰なケアをしない」

普通肌というと可もなく不可もなくというイメージですが、普通肌のタイプは肌の水分や油分が適切な状態にある、とても良好な肌質を示します。
つまり、普通肌の場合はそもそも現状がベストな肌の状態という事になりますので、肌質が変わらない限りは現状維持が最適。
肌をもっと白くしたいとか、モチモチした状態にしたいというような気持ちで色々なコスメに手を出してしまいがちですが、新しく何かを追加するとケアが過剰となってバランスを崩してしまう可能性もあるので、なるべく避けた方が良いでしょう。

とはいえ、全くケアをしないのも問題。紫外線や洗顔などによって、肌は日々少しずつダメージを受けていますので、ダメージを受けた分程度はケアを行う方が、肌質を維持しやすくなります。
ダメージを受けた分のケアとしては、洗顔の後に基本となる化粧水と、角質の保湿成分を補うためにヒトセラミドやナノ化されたヒアルロン酸などの保湿ケアを行う程度。
皮脂の代わりになるような成分で肌表面に脂の膜をはって水分の保護を行うケアは、やりすぎるとかえって肌そのものの機能を低下させる恐れもあるので、やらないか薄くつけるくらいにしましょう。

脂性肌のケアは

一般的に、脂性肌というのは肌の水分は十分であるが皮脂(脂分)が過剰という状態を言います。
肌の水分が十分にある状態であれば、保湿ケアは普通肌と同じようにダメージをケアする程度で問題ありません。
脂性肌の場合、どちらかという食事や睡眠など生活習慣によってホルモンバランスが崩れているという原因が大きいので、生活習慣の見直しが必須です。

一点注意が必要なのは、オイリーな肌質の人は自分が脂性肌に該当すると思いがちですが、皮脂は多くても水分が少ないという「混合肌(インナードライ)」である場合が多く、肌が乾燥しているために様々なトラブルが発生します。
その場合、スキンケアとしては乾燥肌や混合肌としてのケアが必要となるので、自分の肌質をしっかりと認識するようにしましょう。

乾燥肌はたっぷりと保湿ケアを

乾燥肌とは、肌の水分量が30%以下になっている状態を言い、特に肌内部のNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質といった保湿成分が不足している事によって引き起こされます。
NMFや細胞間脂質は肌のターンオーバー時に作られるのですが、肌が乾燥しているとターンオーバーが正常に行われず、さらに保湿成分が不十分になるという悪循環に。
このトラブルを改善していくため、乾燥肌のケアとしては十分な量の角質内保湿ケアによって、健康的なターンオーバーを促していく必要があります。

具体的には、まずしっかりと化粧水によって水分を補給する事。そして角質内で保湿を行う保湿成分をたっぷり使う事。それでも乾燥してきてしまう部分にはワセリンなどでふたをして、水分を逃がさないというケアを行います。
普通肌や脂性肌のケアと利用する成分は基本的に同じですが、潤いを保つために利用する分量は多く使うようにしましょう。

混合肌の場合も乾燥肌と基本的には一緒

混合肌の場合も、基本的には乾燥肌と同様で、水分と角質内の保湿をたっぷり行う事がまず第一歩。
その上で、皮脂が気になる場所にはワセリンを利用せず、乾燥が気になる部分にだけ利用するという形にします。
混合肌の場合も、過剰な皮脂は生活習慣が原因となっている場合が多いので、しっかりと生活習慣の見直しも行いましょう。

肌の保湿に効果的な成分

肌の保湿に効果的な成分としては、角質内部での保湿と角質表面での保湿の二つで分けて考える必要があります。

角質内部の保湿

角質内部の保湿とは、NMFや細胞間脂質と同じような働きで肌内部にて潤いを保つためのもの。
NMFや細胞間脂質と同じような働きをすると考えれば当然の事ながらNMFや細胞間脂質と同じ成分であればベストです。
ただし、NMFは細胞の中にある成分ですので、肌表面から塗った所でNMFそのものを補うという事はまずできません。そのため、重要なのは細胞間脂質を補うという事になります。

細胞間脂質はセラミドとコレステロール、そして遊離脂肪酸が1:1:1の重量比で混ざり合った形で作られていますが、特にこの中で保湿に重要な役割となるものがセラミド。
セラミドは水分を挟み込んで潤いを保つという高い保湿性質を持っているため、このセラミドを補う事が角質内部の保湿にはもっとも効果を発揮しやすいと言えます。

セラミドと一口にいっても、人の肌にあるものと同じ構造のヒトセラミドから植物由来のものまでいろいろな種類があり、最も肌の保湿機能として効果が高いのはヒトセラミド。
ただ、ヒトセラミドは価格も高くなりやすいため、ケアにかけられる金額などと相談しながら、なるべく保湿性能が高いと感じるものを選ぶと良いでしょう。

角質表面の保湿

角質表面で肌の水分蒸発を防ぐ機能としては、人であれば皮脂膜がその役割を果たしています。
そのため、皮脂膜と構成が似ている馬油やホホバオイル、スクワランオイルなどが扱いやすいのですが、注意点としてはオイル系の成分は角質表面だけではなく、角質内にも浸透するという事。
角質内に浸透する事自体は保湿能力として良さそうに感じるのですが、セラミドなどを利用して角質内のケアをしている上に利用すると、保湿成分が混ざり合って保湿効果が低下してしまう可能性もあるのです。
そこで利用したいものがワセリン。ワセリンは肌表面を覆うだけなので、肌内部の保湿を邪魔する事が無く、また皮脂による保湿の邪魔にもならないため脂性肌でも利用しやすいという特徴があります。

朝の保湿ケアのポイント

保湿ケアは朝と夜の時間によってもやり方を変える必要があります。
朝の保湿ケアは、寝ている間に日中の保湿に必要となる皮脂が分泌されている状態なので、過剰に行う必要はありません。
ただ、多くの人は朝も洗顔によって皮脂を洗い流しているかと思いますので、洗顔後に肌内部の保湿ケアと、皮脂を補うようなケアを行うようにしましょう。
ケアのポイントとしては、洗顔をぬるま湯での軽い洗顔のみにするなど、せっかく体内で作られた保湿成分が過剰に洗い流されないように注意する事です。
肌の外から追加する保湿剤よりも体内から分泌された保湿成分の方が当然の事ながら肌に対して親和性が高いものですので、減らさないケアが重要です。

夜の保湿ケアのポイント

夜のケアについては、日中の活動により肌がダメージを受けている状態であったり、メイクのクレンジングによって肌の保湿成分も流されてしまったりしている状態ですので、しっかりと保湿を行う必要があります。
まずは洗顔で肌をリセットし、肌内部に保湿成分を入れる事を意識したケアを行って下さい。
ワセリンなどで表面を覆うようなケアは、乾燥が気になる箇所があれば行うくらいでもいいでしょう。

ポイントとして、夜のケアについても保湿成分が過剰に流されないようにする事は重要。ただ、夜は汚れや皮脂なども朝と比べて多いので、なるべく不要な成分が入っていない洗顔料を良く泡立てて利用しましょう。

隙間時間にできる保湿ケア

日中のちょっとした暇な時間など、隙間時間でもこまめに保湿をするようにすると、乾燥を防ぎやすくなります。
保湿ケアの方法としては、セラミドやナノ化ヒアルロン酸などが配合された化粧水をスプレーのボトルにいれ、乾燥が気になる所を中心に吹きかけるだけ。スプレーはなるべく細かい水滴として噴射されるものを選ぶと良いでしょう。
この時、利用するものが肌内部に留まるような保湿成分が配合されていない化粧品では、一瞬は潤ってもすぐに乾燥が進んでしまうため注意が必要です。

また、乾燥肌で皮脂まで分泌量が少なく、肌が粉を吹いているような場合にはオイル系のケアやワセリンのケアも有効です。
化粧水で水分の追加と肌内部の保湿ケアを行った上で、蓋をするイメージで利用しましょう。

保湿ケア商品を選ぶポイント

保湿ケア商品を選ぶ際は、肌表面での保湿ではなく「セラミド」をはじめとした内部で保湿する成分が多く配合されているものを一つは利用するようにしましょう。セラミド以外でも、しっかりと角質層に浸透して保湿機能を果たすという事が明示されている成分のものを利用する形でも大丈夫です。
化粧品には商品に配合されている成分が全て箱などに記載されていますが、成分の表記は左上から配合が多い順序で記載されていますので、目的とする成分がなるべく前半の方に記載されているものを選ぶと良いでしょう。
ただ、配合量が1%以下の成分については順不同となるため、ある程度配合量が少なそうな成分以下については配合量の確認をする基準になりません。多くの商品はどこから先が配合量1%以下かが分かり難いため、あくまでも目安程度にみておくくらいがよいでしょう。

コメント

コメントを書く

この記事をシェアしよう!

jobikai お悩み解決辞典さんが書いたほかの美容情報・ノウハウ

顔の「うぶ毛」を剃るメリットとは? 正しい処理方法を知ってツルツル肌になろう!

顔の「うぶ毛」を剃るメリットとは? 正しい処理方法を知ってツルツル肌になろう!

近くで見られた時に、顔のうぶ毛を処理していないとギクッとしてしまいますよね。女性でも、口の周りなどは濃い毛が生えている人が多いですから、男性にドン引きされないよう抜かりなく処理しておきたいものです。でも、間違った方法で処理をすると、ツルツル肌になるどころか肌荒れの原因になることも [»続きを読む]

肌にたるみが出来るとフェイスラインはどう変わる? たるみ解消法

肌にたるみが出来るとフェイスラインはどう変わる? たるみ解消法

人は誰しも年齢を重ね、見た目も変化していきます。その代表的な変化に、肌のたるみがあります。肌のたるみは、見た目年齢を決定付けてしまう大きな要因であり、多くの女性が(そして男性も)エイジングを自覚するポイントです。 では、肌にたるみが出来ると、フェイスラインはどのように変わるので [»続きを読む]

梅雨でも髪を美しく保つ乾かし方。ドライヤーの使い方

梅雨でも髪を美しく保つ乾かし方。ドライヤーの使い方

髪を美しく保つためにはキューティクルをしっかりと保護する事が大切ですが、そのためにも洗髪後のドライヤーの使い方はしっかりと身に着けておきたいポイント。 ヘアスタイリングの8割は乾かし方で決まるとも言われるくらい、髪の乾かし方を正すだけでも、ヘアスタイルが決まりやすく美しい髪の毛 [»続きを読む]

シャンプーで洗髪後の自然乾燥は有りor無し? ドライヤーとどちらが髪を傷める?

シャンプーで洗髪後の自然乾燥は有りor無し? ドライヤーとどちらが髪を傷める?

お風呂に入って髪を洗った後、すぐにドライヤーで髪を乾かしていますか? 人によっては、ドライヤーの熱も髪を傷めるため自然乾燥させるという人もいたり、少しだけ自然乾燥させてからドライヤーを使うという人もいたりしますよね。 今回は、自然乾燥とドライヤーのどちらの方がヘアケアにとって [»続きを読む]

コラーゲン化粧水は「ハリ」に効く? 本当の効果と選び方

コラーゲン化粧水は「ハリ」に効く? 本当の効果と選び方

スキンケア用の基礎化粧水の多くに配合されている「コラーゲン」ですが、化粧水に含まれるコラーゲンがどのような効果を目的としたものかについて、実は誤解している人が多いので、正しい効果を知って有効活用しましょう! [»続きを読む]

保湿ケアの新着記事

春の全身美に近づく、トータルビューティセットが発売

春の全身美に近づく、トータルビューティセットが発売

ウールコートの中が少し汗ばんで、そろそろスプリングコートに変えようかな、と思ったら、それはもう春の訪れ。 軽やかに新しい季節を迎えるとき、メイクやスキンケアはもちろんのこと、髪やボディもふんわり軽く気分をチェンジしたいですよね。 毎月、ハッピーなサプライズボックスが届けら [»続きを読む]

jobikai ビューティーウォッチ

今年どんな美容が流行りそう? 美容専門家が注目している美容法とは

今年どんな美容が流行りそう? 美容専門家が注目している美容法とは

2023年も後半に近づいてまいりました。もし来年、今年を振り返ったときに、こんなのはやったね〜、なんていうことも想像できますが、それをあえて今から、予告してみようということで、まさに今流行り始めている、また、今年はやるであろうものを、美容感度の高いお二人に伺ってみました。 [»続きを読む]

jobikai ビューティーウォッチ

美容の細か過ぎるギモンや噂の真偽を、編集長に聞いてみた(前編)

美容の細か過ぎるギモンや噂の真偽を、編集長に聞いてみた(前編)

美容の情報は数多ありますが、本当なの? 眉唾では? なんてつい疑いの目で見てしまうものもたくさんあります。今回は、jobikai編集部きくちまりこが、そんな巷でよく聞く美容における「細かすぎるギモン」を、読者の方を代表して(?)、編集長に質問してみました。 [»続きを読む]

jobikai編集部

編集部スタッフ

夏でも保湿は重要! 7月からの潤いボディケア特集

夏でも保湿は重要! 7月からの潤いボディケア特集

いよいよ夏本番が近づいてまいりました。 夏は汗をかいたりベタつきが気になりやすいため、ついつい保湿を忘れがちですが、実は冬とは少し違う理由でしっかりと潤いケアがとても重要になります。 逆に適切な保湿を怠ると、乾燥、肌荒れ、ニキビ、光老化を起こしてしまうかも! 今回は、夏の潤 [»続きを読む]

jobikai編集部

編集部スタッフ

肌の乾燥が気になる季節に◎お家で潤いチャージが叶う、おすすめアイテム

肌の乾燥が気になる季節に◎お家で潤いチャージが叶う、おすすめアイテム

空気が乾燥しやすいこれからの時期、簡単に潤いチャージできるアイテムに頼ってみて! 今回はお家で気軽にできる、潤いチャージアイテムをご紹介します。 [»続きを読む]

美容家

船山葵

関連キーワード

ジャンルから美容情報を探す

女美会メンバーだけの
スペシャルコンテンツが続々登場!
あなたも今すぐ登録しませんか?

SNSアカウントで新規登録