ハイヒールを美しく、疲れずに履く秘訣は「足の若返り」にあった!
EXPERT jobikai編集長
しゅん (40歳)
蒲田知芳 (理学療法士・広島国際大学教授)
が監修しています
ハイヒールを履き続けるのが辛いとか、腰にくるなどの悩みは、仕方のないものと思っていませんか? 実は疲れずにはくための秘訣があるのだそうです。毎日ハイヒールを履いている人が陥りやすい足の状態から、疲れにくい理想の足に導くポイントをご紹介します。
ハイヒールを履き続けることによるリスク
ハイヒールを履き続けることで外反母趾になる、というイメージがありますが、実はハイヒールだけが直接的な原因ではないというのはご存知でしたか?実際には、男性にも外反母趾は起こります。男女ともに、もともとの足の形の特徴とともに、足の中の骨が徐々に変形し、その結果として外反母趾が徐々に進行するのです。そして、つま先の細いハイヒールは、その変形を加速させる可能性があります。つまり、ハイヒールを常用する女性の方は、より高い確率で外反母趾が悪化する危険があるのです。
ハイヒール選びの難しさは、「足の前滑り」にあります。オーダーメードで足にぴったりフィットするハイヒールであっても、また偶然見つけたベストフィットの靴であっても、少し使うと靴が緩んできて、足は前に滑ります。つまり、ベストフィットは数回履くと消滅する儚いものなのです。前滑りを防ぐ方法については、後述します。
ハイヒールを履くと、靴が外に傾いてしまい、小指に体重が乗ってくる女性が多いことを存じでしょうか? 外に体重が乗るのは、ヒールが上がった言わばつま先立ちの状態では、小指の付け根の骨が地面から浮いてしまった状態になります。その結果、小指を地面につけるように、足の裏のより広い面積で地面を踏めるように足は自然に傾いてしまうのです。足が傾くと、膝がねじれたり、骨盤を外に開くような力が伝達されて、膝や腰への負担が増すことになります。
そして、上手に歩くことができないままハイヒールを履き続けると、おしりの筋肉を使わない歩き方が習慣となり、姿勢が崩れ、脚や腰が太くなりがちです。スタイルをよく歩く姿を美しく見せてくれるはずのハイヒールが、履き方次第で全く逆効果になってしまうなんて、悲しいですよね。
そんなわけで、ハイヒールで疲れないようになる歩き方と、ハイヒール好きでも腰痛や外反母趾にならないようにする方法をご紹介したいと思います。
まずは自分の歩き方をチェックしてみよう
リラックスしていつも通り歩いてみましょう。
後ろから見て、ズボンのお尻の下のシワが横にまっすぐつけばOK。(右)
お尻から外側に落ちるような斜めのシワが入っているのは、脚の付け根の股関節が十分に動いておらず、骨盤に負担がかかる状態です。そして、足の指の動きが制限されると、この股関節の動きにも制限が生じてしまいます。
このままだと、ハイヒールを履き続けることによるリスクが起こりやすい状態です。(左)
それでは、ハイヒールを履いても疲れにくい脚の状態にしていく方法を次にご紹介します。
足の若返りで、ハイヒールがもっと似合う脚に
足は本来、足を真上から見たときに指から甲に伸びる筋がアーチ状に並ぶのが理想的です。しかしハイヒールを履いている足は、先端が細く窮屈になりがちなため、小指の方が圧迫され外側にねじれやすいのです。
足は、可動域が広く足の甲のアーチがしなやかにたわむような弾力ある状態になっていると、ハイヒールを履いていても疲れにくくなります。またその状態でハイヒールを履くと、足にしっかりとフィットしやすく、靴がずれて不自然な歩き方になりにくいのです。
やはり足も肩や首と同じように、同じ姿勢や同じ状態が繰り返されるとそれが癖になっていき、年齢とともに固くなり戻りにくくなってしまいます。
それを、足の甲の本来のアーチを取り戻し、柔らかくしてあげることで、若い頃の疲れにくい足を取り戻す、つまり足の若返りができるのです。
足の若返り施術を体験してみた
ハイヒールでも疲れない足にするために、足を本来あるべき理想の状態に戻すのが重要とのことですが、自己流でやってもダメ。
そんなわけで、ハイヒール足の施術を専門とする都内のサロンで「足の若返り」をしていただきました。
施術サロン紹介
「Salon de joi -美骨格ReaLine-」
渋谷にある女性専用サロン。関節を整え、骨格から美しいボディラインを取り戻します。
今回施術してくれたのは、セラピストの延原雅代さん(理学療法士、関節運動指導しLevel3)です。
ハイヒールによる足の不調などを得意とする延原さんに、足の若返り施術をしていただきました。
施術前後の足の比較
施術前後に明らかに変わったと感じたのは、立った時の足の裏の重心の違い。
施術前の状態は、足の裏の外側に重みがかかったような感じがしましたが、施術後には足の裏全体で体を支えているような感覚でした。これが本来の足の状態なのですね!
足の裏に均等に体重が乗ることで負荷が分散し、疲れにくくなるそうです。
確かに、若い頃はこんな感じだったような・・・
歩いた時のパンツの下のシワの寄り方にも変化がありました。施術前は斜めについていた線が、施術後には理想的まではいかなくとも床と平行に近い緩やかな斜めのシワになりました。
また、ハイヒールを履いてみても、下の写真の通り、足の指の窮屈さがなくなりました。
写真ではわかりにくいですが、ポイントとして
・足のむくみがなくなり窮屈さが改善したこと(シワが減った)
・指や足の甲の向きが正面を向き、ヒールの先端と向きが揃ったこと(足運びがスムーズになる)
・小指が外に張り出していたためBeforeでは靴の中で圧迫されていますが、Afterでは綺麗に靴に収まっていること
などが変化としてわかりやすいと思います。
むくみにくくなったせいなのか、足の指の長さも長くなったように見えます。
実感としても、施術後の足の方はハイヒールを履いているにも関わらず、つま先だけではなく足の裏全体に体重がかかっているので、しっかりと地面を掴めるような感覚があり、またハイヒールがよりフィットしてゆるさ、窮屈さが解消されました。
ハイヒールでも疲れない歩き方のポイント
・足の若返り(理想の状態)にしてから
・脚にフィットし、つま先が滑り込まない状態の靴を選ぶ
・大股で歩く
・後ろの足のつま先をしっかり蹴り出して前に進むように歩く(膝をしっかり伸ばす)
・着地はヒールとつま先が同時に降りるくらいにする
・背筋を伸ばし、顔は正面を見る
すでに健康な足の状態からであれば、靴選びと歩き方次第でハイヒールでもスニーカーで歩くのとそう変わらずに疲れにくく歩くことができるそうです。
しかし、やはりすでにハイヒールで疲れを感じたり、足にフィットしないものを履き慣れてしまうと、足が疲れやすい状態になってしまっているため、「足の若返り」が必要になります。
自分で直すのが難しい人に→自然と理想的な足の形になるアイテムがあります
足の若返りは、普段の生活の過ごし方やセルフマッサージなどでも可能なようですが、それができるようになるまではある程度の知識やスキルが要るようです。
そこで、誰でも簡単に足の若返りができるアイテムをご紹介します。
リベラシオン ハイヒール
・商品特徴
足の若返りを目指して理学療法士により開発された、特製のハイヒールパンプス。
インソール(靴底)はオリジナルのデザインを採用し、足の柔軟性を保ちながら、ハイヒールのフィット感を向上し、傾斜のある靴の中でもつま先が滑り落ちたりずれにくいようになっています。ファッション性も重視し、ポインテッドトゥのデザインを採用。エナメル加工を施したシンプルなブラック、ベージュをはじめ、流行のバーガンディなどの多彩なカラー展開があります。全て本革を使用し、熟練の靴職人による手作りで仕上げられています。
9cmのピンヒールパンプスでありながら、履くだけで理想の足の状態に導いてくれるだけでなく、疲れにくく痛くなりにくいというのが、ハイヒールユーザーにとって魅力的な一足です。
・履き心地レビュー
通常のハイヒールはインソールに凹凸がないためつま先側に足が滑り落ちやすく、足の指の付け根に集中的に体重がのってしまって、どうしてもつま先が痛くなりがちです。
しかしこちらはインソールが特殊な形になっていて、土踏まずや足の指の付け根が程よく盛り上狩り足の裏の凹凸に密着してくれるので、良い滑り止めになってくれている感じがします。
本革製ということもあって、見た目にはトレンドのハイヒールと遜色ないデザインですので、いわゆる「健康パンプス」を履いているというようには見えません。
リアライン・インソール
・特徴
約2000足のオーダーメイド・インソールを製作してきた理学療法士が、アスリートのトレーニングやリハビリのために開発した、理想の足の状態を作ってくれるカスタムインソールです。中央の硬さの違う3種類のパットを付け替えて自然に自分の足にフィットさせることができます。
リアライン インソールの3つの特徴として、
1.足が滑りにくくブレにくい、地面に吸い付くような感覚を得られる「グリップ力」
2.独特の凹凸とカスタムインソールによって、足がよくなじむ「フィット力」
3.健康的な足に不可欠な、足の立体アーチを維持し、膝のねじれや腰の痛みの予防になる「サポート力」
が挙げられます。
これらにより、足にしっかりフィットし、何度も履いているうちに足が自然にインソールに馴染んで行くことで、次第に理想の足の状態、つまり"足の若返り"に導いてくれます。
スポーツのトレーニングから日常生活まで幅広く使えます。
・使い方
①.まず、自分のサイズのリアライン インソールを用意します。
シューズよりやや小さめのインソール。を選ぶとフィットしやすいそうです。
②.付属のパットを、なじみやすい硬さを選んで靴底にセットします
最初は一番柔らかい赤から始め、次第に青、黒と少しずつ硬いものに変えて行きます。
トレーニング用のスニーカー、または普段履きの靴などにセットしてもOKです。
使用してみてどうしても違和感がある人は、青竹踏みなどを使って土踏まずをしなやかにしておくとパットがなじみやすくなるそうです。
・履き心地レビュー
足の裏全体にぴったりとはまり、靴と足が密着する感じがします。
いつも通りのスニーカーだと、反復横跳びなどの横方向の動きを行うと足が靴底からずれて行き、地面を蹴る力が入りにくいのですが、リアライン インソールを着用すると、靴の底から足がずれないので、足のズレや滑りを気にせずに踏み込むことができます。
裸足よりももっと地面をつかんでいるような感覚です。
ハイヒールをいつまでも美しく、疲れにくく履き続けるポイントは、足の若返り、つまり安定的に地面を掴み、蹴り出せる足の柔軟性が重要ということはお分かりいただけたかと思います。
毎日の姿勢や意識を変えるだけでも足の若返りは可能ですが、まずは理想の状態はどんなものかを知るためにも専門家を頼るのが近道かもしれません。
これからはお肌だけでなく、足のエイジングケアもお忘れなく。
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