乾燥肌を改善するスキンケアには、肌表面と内部からのケアが重要

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スキンケアは肌質に合わせたケアを行う事が大切。今回は、肌の4タイプの一つ乾燥肌について、その原因と対策するためのスキンケア方法をご紹介します。

乾燥肌の特徴

乾燥肌(ドライスキン)とは、文字通り肌に水分が不足して乾燥してしまい、肌に潤いが無く、柔軟性が失われた状態を指します。
見た目で分かりやすい乾燥肌の判断基準としては、肌表面が荒れて部分的に硬くなって剥がれていたり、肌に白い粉のようなものが見えてくる、いわゆる粉をふいている「鱗屑(りんせつ)」という状態になったりします。
また乾燥肌の状態が悪化すると、場合によっては肌にひび割れが出来たり、アトピーのような症状になったりします。

乾燥肌を引き起こす原因

乾燥肌の原因として勘違いしやすいのは単純に水分が不足しているという考え方。
スキンチェッカーなどでも水分量という形で表現されるため、水分に注目しがちですが、どちらかというと重要なのは水分を保持するための皮脂や細胞間脂質といった脂分。
脂分による肌の保湿能力が失われているために水分が留まらなくなり、これが乾燥肌の状態を引き起こしているので、単純に水を肌に追加したとしても乾燥肌が改善する事はありません。

皮脂の不足による乾燥

肌の保湿として肌表面で働くものが皮脂。皮脂というと汚れなどあまりよくない印象をもちやすいですが、一定量の皮脂が無ければ肌の乾燥は進行してしまいます。そもそも皮脂が分泌されない唇がとても乾燥しやすい部位であるように、皮脂の適度な量が乾燥の予防には重要です。
皮脂の分泌量は食事や生活習慣によって変わる他、運動などによって定期的に皮脂が排出される状態を作らないと、皮脂が分泌されにくくなって乾燥しやすくなります。
また通常であれば皮脂はサラサラで、肌表面を覆うようになっているのですが、ストレスや生活習慣の乱れによって角質が剥がれやすくなり、皮脂がドロドロになると肌にベタツキを感じやすくなり、皮脂によるコーティングも万遍なく行われやすくなります。

細胞間脂質やNMFの減少

肌の水分維持は皮脂による表面でのものだけではなく、角質層の構造そのものにも水分維持をする仕組みがあり、それが細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)といった保湿機能です。

細胞間脂質は角質の細胞同士の間にあり、分かりやすくいうとセラミドによる保湿機能です。
細胞はレンガのように積み重なっていますが、その間を細胞間脂質がセメントのように埋める事で、カラダの外から細菌などが入り込まないようにすると同時に、肌内部に水分を維持して潤いを保っています。

一方、NMFは角質の細胞の中にある保湿成分で、アミノ酸や尿素などで出来ています。
NMFもセラミドと同様、肌の内部で水分を維持して潤い保つ働きを持っており、NMFが減少すると細胞そのものが乾燥してダメージを受けやすくなります。

細胞間脂質もNMFも肌のターンオーバーによって作られるもののため、ストレスや紫外線によるダメージなどでターンオーバーが正常に行われなくなると不足しやすくなってしまいます。
また、そもそも加齢によっても減少していってしまう保湿成分ですので、年齢に応じたケアとしてコスメなどで補うのも大切です。

乾燥肌の正しいスキンケア

乾燥肌を改善する正しいスキンケアは、まず第一に乾燥してしまうケアを行わない事です。
上記のように、肌は元々保湿するための成分として皮脂膜や細胞間脂質、NMFといったものを保有していますが、強い洗浄力の洗顔料などで洗い流したり、熱いお湯のシャワーを利用したりすると、保湿成分が肌から流れてしまいます。
その他にも、アルコール成分が多いスキンケアコスメを利用する事や、オイルによるスキントリートメントも肌の水分を減らして乾燥してしまう場合があるので、こういったケアを行わないように注意しましょう。
その上で肌に適切な保湿を行う事が重要ですが、保湿に関しては皮脂の代わりとなるケアよりも、細胞間脂質やNMFを補うようなケアが効果的です。
肌表面をコーティングする皮脂の代わりとなるようなケアは、長期的には皮脂の分泌能力を低下させるなど体のもつ保湿機能に悪影響となる場合もあるため、肌表面での保湿ケアはやりすぎないように注意しましょう。

乾燥肌を改善する効果的な保湿成分

乾燥肌の正しいケアとして細胞間脂質やNMFを補うケアが重要と言いましたが、こうしたケアに効果的な成分の代表がセラミドです。
セラミドは細胞間脂質そのものでもあり、肌の保湿機能に大きく影響する成分ですので、乾燥肌を改善するために積極的に利用したいものです。
セラミドを利用する際は、極力ヒトセラミドという人の肌にあるセラミドと同じ構造のものを選ぶようにしましょう。植物由来のものや他の動物由来のセラミドも高い保湿効果はあるのですが、人のものと同じではないためケア効果としてはやはりヒトセラミドが最適です。
また、肌内部にて保湿効果を発揮するようなアミノ酸系の保湿や、ナノ化されたヒアルロン酸なども効果的です。

乾燥を悪化させないために見直すべき生活習慣

肌の乾燥を招く生活習慣として、一番に気を付けたいのはやはり洗顔。前述の通り、強い洗顔料の利用や熱いお湯での洗顔は乾燥を悪化させる最大の原因なので、洗浄力のマイルドな洗顔料やぬるま湯での洗顔を行うようにしましょう。

また、ストレスや睡眠不足は肌のターンオーバー(新陳代謝)機能低下により保湿成分の減少を招くので、特に改善が必要です。

食事ではもちろんビタミン類やミネラルといった肌の代謝を正常に保つ栄養素も大切なのですが、適度に脂質やタンパク質を摂取するように心がけ、保湿成分の原材料となる栄養素を摂り入れる事が特に重要です。

乾燥を防ぐメイクのコツ

肌の乾燥を防ぐためには、土台からのしっかりしたケアが重要です。
メイクを行う際は、まずスッピンの状態で肌の保湿ケアをしっかりと行うようにしましょう。
下地自体にも保湿機能はありますが、下地の保湿はやはり表面をコーティングするタイプのものが中心ですので、下地を塗る前に肌内部へのアプローチとして、化粧水とセラミドなどによるケアを行います。

メイクそのものは肌を乾燥させるわけではありませんので、肌のターンオーバーを悪化させるような、肌への刺激となるものでなければ大丈夫。
ただ、メイクを落とす時に強いクレンジングが必要となるようなものは、メイクを落とす際の洗顔で乾燥を悪化させてしまう場合があるため、なるべく簡単に落とせるようなものを選ぶと良いでしょう。
特に目の周辺などは乾燥しやすいため、アイメイクなどは負担なく落とせるものを選ぶ必要があります。

また、肌の乾燥には紫外線によるダメージが大きく影響するため、下地やファンデーションなどはUVケアを行えるものを選ぶと良いでしょう。

適切なケアで乾燥肌の解消を

乾燥肌は適切なケアを行えば改善していけます。
そのためには肌表面での保湿ケアだけではなく、肌内部での保湿をしっかりと意識して、両面から十分なケアを行う事が大切ですので、セラミドなどの保湿成分の補給と生活習慣の見直しを行い、しっかりと潤った肌を手に入れましょう。

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