化粧品やサプリメントの「成分配合量」表記に、騙されない! ...のは難しい -編集部コラム

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やなぎた

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スキンケア化粧品やサプリメントを選ぶとき、欲しい成分や材料がどのくらい配合されているかを気にする方は多いと思います。
どうせ買うなら、欲しい成分がより多く配合されていて、かつ値段が安いものを選びたいと思うのは誰でも同じですよね。
しかし、この「成分配合量」には落とし穴も多く、正しく選ぶのが非常に難しいものが沢山あります。
今回は具体例を挙げて紹介します。

セラミド「??%」配合のコスメ

スキンケアコスメで人気といえばセラミド配合のものですね。
人気な分、色々な商品が発売されていますが、特に目立つのは1%を超える配合量のもの。
実は、普通セラミドは水にも油にもほとんど溶けないため、ちゃんと効果を発揮する状態として1%配合するだけでも非常に困難なものです。

では、1%を超えるようなものは嘘なのか? といえば、そうではありません。
セラミドがスキンケア効果を正しく発揮するためには、セラミド分子がくっついて結晶化という状態にならないように配合する必要があるので、意味ある形で配合するなら1%も配合が難しいのですが、逆に言えば結晶化して、大きなスキンケア効果が期待できない状態でいいなら、もっと沢山入れる事はできます。

つまり、やたらと沢山セラミドが入っているものは、意味はあんまりないけれど沢山入れているという意味だとも言えます。
ただし、結晶化していない分についてはしっかりと効果が発揮されますので、少ないよりかは過剰な方が良いのも確かですし、もしかしたら「世の中に発表されていない革新的な技術」が使われている可能性もありますので、絶対に意味ないとは言えないのですけど。

セラミド以外にも、こうした「沢山入っていても意味ない」ものがありますので、目的の美容成分があるなら、どの程度配合されているのが理想的かなど一度調べてから商品を選ぶと良いかもしれません。

「〇〇原液」××%配合のコスメ

スキンケアコスメでよくあるゴマカシ表記が、「〇〇原液××%配合」です。
実は、化粧品では「原液」という表現に対してなんの決まりもありません。
そのため、例えば水の中に個体のセラミドを0.01%溶かしたものを「セラミド原液100%」と言ったとしても、全く嘘ではないのです。

個体である化粧品原料を、どんな濃度であれ液体に溶かしていればそれはもう原液です。
ちなみに、jobikaiで作成したオリジナルのスキンケアコスメSMPLにも、「EGF原液30%配合」というような表記をしています。
これはEGF成分である「ヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1」という物質の乾燥粉末を、10ppm(0.001%)の濃度で溶かした原液を、30%配合しているという意味ですので、商品全体からいえばEGFの固形成分は3ppm(0.0003%)しか入っていません。
商品は1本あたり10mlですので、配合されているEGFの固形原料は30μg(0.000003g)です。

こう書くと非常に少なく感じますが、EGFは0.1ppmの配合で十分かつ最大の効果を発揮すると言われていますので、3ppmは非常に高濃度の商品というもの。30倍に薄めての使用を推奨しているのはこのためです。
そして、EGFは原料価格もある程度調べればすぐに出てくるのですが、例えばヒゲタ醤油が提供している原料では100μgで4万、500μgで6万などで販売されている例がありました。
jobikai商品で利用している原料の価格などは公開できないのですが、特定の化粧品原料はごく少量でも非常に高価という事がわかりやすい例です。
もしEGFの固形原料が30%も入っていたとしたら、価格は数十万とも数百万ともなってしまうでしょう。

このように、「〇〇原液××%配合」と記載されている場合は、実際には極わずかしか原料成分が含まれていない事も多いので、注意が必要です。

参考:東京未来スタイル ヒゲタ醤油 EGF原料

固形原料ではなくても薄めて「原液」と呼ぶこともある

化粧品原料には、セラミドやEGFなどのように基本が個体粉末のものだけではなく、液体が原料のものもあります。
その例が「幹細胞コスメ」と呼ばれるコスメに含まれる「ヒト脂肪細胞純化培養液エキス」などです。
この原料は、ヒト幹細胞を培養した際の培養液側から抽出されたエキスですので、基本的な状態が液体です。

原料が液体なのであれば「原液」は原料そのもののような気がするのですが、現実としてはこの液体原料を、他の原料や水などと混ぜて薄めたものを「幹細胞エキス原液」のような形で配合しているケースも多くあります。

このように原液という表現は割と「何でもあり」のようなものですので、配合量をはかる目安としては役に立たないと考えた方が良いのですが、よくよく注意して説明を読まないとわからない事も多いので困りものです。

私自身、こうした表記があると知って気を付けながら市場商品の調査など行っているのですが、それでも「この成分がこんなに入ってるのにこんなに安いなんて!!」と驚いた後で、よくよくみたら「原液××%配合」という記載を見つけてがっかりする事も多々あります。
同じような成分を配合しているのに格安なものに多いかと思いきや、高額商品でもよくあるので、きちんと見分けるためにはとにかく消費者側の目を育てるしかありません。

そもそも本当かどうか疑わしい配合量記載も

一昔前と比べ、今はネットショッピングで色々な商品を見比べて探しやすくなっていますが、ネットならではの注意点が、情報の発信者の信頼度です。
アフィリエイトサイトやECサイトなど、ちゃんとした企業が運営しているページ以外のサイトでは、あたかも無法地帯かのような内容が掲載されている事もしばしば見受けられます。

特に最近増えてきているのが、公式の販売ページでは一切美容成分の配合量など記載されていないのに、ECサイトやアフィリエイトではやたらと高配合の表記を見かけるというもの。
成分の原価を知っている側からすれば明らかに「嘘」のような高配合商品もあり、目を疑います。

こうしたケースは、例え嘘の情報で商品が購入されたとしても、販売元のメーカーと販売者や紹介者が別なので、表記の間違いも単なる「ミス」レベルで扱われ、誰もこの嘘に対しての責任を取る事が無く終わるでしょう。

オンラインで商品を購入する場合は、必ずメーカーの公式サイトなどを確認し、そちらにしっかりと配合量など明確な記載があるか確認してからにした方が良いでしょう。

原料の品質で効能に大幅なブレがある商品

とくにサプリメントで多いものが、「〇〇(原料)が1粒に??㎎配合」というようなものです。
健康に良いとされる食品原料などを粉末にして、それをカプセルなどに入れているという状態が多いですよね。

この場合、実際には配合量の「多い少ない」と、期待する効果がどの程度得られるかの間にはあまり相関性がないケースも多々あります。

例としては、女性ホルモン様物質として美肌やバストアップ効果があると言われる「プエラリア・ミリフィカ」などが挙げられます。
プエラリアはタイ原産の、女性ホルモン(エストロゲン)と似た成分が含まれる芋の一種ですが、このプエラリアは植物ですので、当然栽培される時期や土壌など様々な条件によって、含まれる栄養素に差が生じてきます。

厚生労働省が調査した、各商品ごとの1日摂取目安量に対するエストロゲン様物質の量などをみると、同じ量のプエラリアを摂取してもその中にある目的成分濃度は、数倍から十数倍も異なる事が見て取れ、利用されている原料の品質によってもその効果は大幅に変わってきます。

このように、原料の質でサプリメントそれぞれの意味合いが全く異なるので、配合量の多い少ないだけでは判断できない場合が多いという点に注意が必要です。

厚生労働省 プエラリア 調査について

尚、プエラリアについてはあまりにも作用が強いものの場合は逆に健康被害なども発生するため、有効成分が多ければいいというものでもありません。
日本医師会からも注意喚起がされていますが、サプリメントは必ずしも良い面ばかりではない事を理解して飲用するようにしましょう。

日本医師会 プエラリアミリフィカの健康被害について

世の中はミスリードばかり!!!

以上のように、世の中は非常に多くのミスリードがあふれています。
商品の販売を訴求するためにはやむを得ない場合も多いですし、多少ミスリードがあったとしても本当に満足できる商品が購入できればそれで良いと思うのですが、中には悪質なものも存在しますし、結局のところ本当に自分の目的にあった良い商品を見極めるのは、自分自身の目を育てるしかありません。

疑う事が良いわけではありませんが、高い配合量など飛びつきたくなるような情報を見かけた時には、落とし穴がないか一度冷静になって見てみるようにしてみるといいかもしれないですよ。

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