化粧品、コスメの使用期限はどのくらい? 効果と品質を長持ちさせるために
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みなさんは普段から使っている化粧品について「使用期限」はどれくらいと考えていますか?食料品には消費期限などが明示されていますが、ほとんどの化粧品には記載されていないため曖昧な人も多いことでしょう。
そこで今回は曖昧な認識でいる人が多い「化粧品の使用期限」について詳しく解説します。化粧品は肌に直接触れる物だからこそ知っておきたい知識が満載です。
化粧品の使用期限が書かれていない理由
市販されている多くの化粧品に使用期限が記載されていない理由は、医薬品医療機器等法第61条5号において、消費期限の表示が定められている条件である以下のふたつに該当していないためです。
1.アスコルビン酸、そのエステル若しくはそれらの塩類又は酵素を含有する化粧品
2.製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年以内に性状及び品質が変化するおそれのある化粧品
平たく言えば、国が指定する特定の成分が含まれておらず、未使用の状態で3年以上品質が変わらない物であれば、使用期限を書く必要はないということです。逆を言えば、消費期限が明記されている化粧品は上記2つの条件のいずれかに該当します。
開封済みの化粧品の使用期限
法律上では消費期限を明記する義務がない化粧品がほとんどですが、消費期限を意識することはとても大切です。
なぜなら、どのような化粧品でも一度開封してしまうと酸素に触れて酸化したり、使う度に手や顔に付着していた雑菌が入り込むことがあるからです。そのような痛んだ化粧品を使うことで思わぬ肌荒れや、感染症などの病気になる可能性もあります。
そこで、化粧品別に推奨されている使用期限の目安を覚えておきましょう。
アイメイク関連は早めに使い切る
アイメイク関連であればマスカラ、アイシャドウ、リキッドタイプのアイライナーなどは3ヶ月以内に使い切ることが目安です。数ある化粧品のなかでもアイメイク関連は使用期限が短めです。
その理由に、結膜炎などの目の病気を防ぐことが挙げられます。一度開封してしまうと、酸化や雑菌の繁殖はどんどん進行します。この状態を3ヶ月以上続けてしまうとアイメイクをするたびに、目の病気のリスクが高まるのです。
スキンケアコスメは半年程度を目安に
化粧水や乳液、クレンジング、保湿クリーム、日焼け止めクリーム、リップ、グロスなどは6ヶ月を目安にするといいでしょう。これらは開封後6ヶ月以上経過すると、酸化や雑菌などによって肌荒れの原因になる可能性があります。
その他のコスメも1年以内を目安に
ファンデーションや下地、ペンシルアイライナーなどは、開封からある程度の期間が経過しても基本的には問題ありません。しかし、保管状況などによっては雑菌が繁殖するなど、トラブルの元となる場合がありますのである程度の注意は必要です。
使用期限は開封から6ヶ月または最大で1年を目安に考えるといいでしょう。
未開封の化粧品の使用期限の目安
未開封の化粧品であれば使用期限は3年を基準に考えていいでしょう。この理由として、市販されている化粧品の多くは、未開封、未使用の状態で適切な環境下での保存であれば3年は品質が維持されることが前提になっているからです。
ただし、直射日光が当たる窓際や、高温多湿の劣悪な条件下ではこの限りではありません。3年の使用期限は、メーカーが定める適切な保存環境下での目安として考えてください。
期限切れ化粧品の肌への影響
使用期限が切れた化粧品を使うことは肌へ悪影響を与える可能性があります。未開封の物であれば3年以内、一度開封したものであれば6ヶ月または1年以内が前提ですが、いずれも注意すべき点は腐敗や酸化による影響です。
具体的には、未開封でも3年以上経過したものや、開封後長期間経過しているものは、化粧品のなかに含まれる防腐剤の効果がなくなるため腐敗が始まります。腐敗した化粧品は雑菌が繁殖し、それらが毛穴や目の中に入り、ニキビなどの肌荒れなどを引き起こします。酷いときは結膜炎などの細菌性の病気を発症する危険性もあります。
また、一度開封して長期間経過した化粧品は、酸化が進み「黄色ブドウ球菌」や「表皮ブドウ球菌」が繁殖します。これらの雑菌によって、かぶれや痒み、ニキビの傷口では痛みを伴う炎症を起こす可能性があります。
化粧品の捨て時サイン
溜まる一方の化粧品ですが、捨て時のサインとして「季節」を目安にするといいでしょう。
ご自身であらかじめ1年を均等に4シーズンに区分けし、1シーズンで捨てる物と、2シーズンで捨てる物に分けておくと、いざ捨てる際の迷いが減らせるでしょう。仮に、3シーズン目に突入している化粧品があるときは、捨て時を逃したと気がつくはずです。
可能であれば化粧品には開封時の日付を書き込んで、定期的に使用期限を超えていないかチェックしましょう。ちょっとした一手間が、肌荒れを防いだり、化粧品の効果を最大限に活かすことに繋がります。
この他にも、使用し続けてブラシが変形または摩耗したマスカラや、油が溶けて水滴のようなものがついているリップ、ケースの底が見えるほどまで使ったファンデーションやチークなども捨て時サインです。
リキッドファンデーションやクリーム系は、肌につける範囲が広いので悪影響は避けたいところです。これらの中に含まれる乳化剤が劣化すると、固形化した成分と水分に分離します。振ることで混ざったように見えるかもしれませんが、一度分離したものは本来の状態には戻りません。
ただし、製品によっては始めから成分が分離しており、振って混ぜてから使うタイプの物もありますので、お使いの製品を確認するようにしてください。
化粧品の品質を長く保つための保管方法
一般的にほとんどの化粧品は、温度変化が少ない環境下で常温保存が推奨されています。なかには、無添加の物などは冷蔵庫で保存することが条件になっていることもありますが、基本的には常温保存と考えていいでしょう。
化粧品は冷蔵庫で保管すると良いとする声もありますが、冷蔵保存に適しているのはジェルタイプの物で、なおかつ冷蔵庫のなかでも比較的温度が高いドアの裏側に置くことが条件です。衛生面で抵抗がある人は、やはり室内での常温保存がいいでしょう。
化粧品を保存するためには、直射日光と温度差を避け、湿気が少ない場所で保存することが鉄則です。開封した物は清潔な場所で保存することも忘れないようにしましょう。
品質保持と効力の維持は違う
最後に、一点注意が必要なポイントとしては化粧品が3年間保証している「品質保持」というものが、その化粧品に求められる効果の維持する期間とは異なる場合があるという事です。
品質保持とは、あくまでも化粧品が肌に対して「安全に利用できる」品質の保持であって、例えば保湿力やUVケアなど、化粧品に求める「美容効果」を保証しているわけではありません。
特に、コラーゲンや成長因子などのタンパク質系物質や、ビタミンCなどの抗酸化作用物質などは、熱や化学反応によって変質してしまう事も多く、製造からの経過時間と補完方法によっては求めている美容効果が発揮できない場合もあります。
どのコスメも、なるべく早く使い切る事が一番重要ですので、色々な種類を購入して試すより、一つずつ使い切っていった方が、コスメの効果を得るという点では良いと言えます。
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