冷えや疲れは薬膳で解消
公開
HANANO
冷え症は万病の元と言われ、また疲れた時に様々な体の不調が現れるため、冷えにくく疲れにくい体を作りたいもの。そのためには食生活を見直すことが大事です。
痩せてキレイになりたいとの思いから、冬でも朝食に冷たいスムージーやサラダのみですますのは、逆効果。体が冷えるようなら温野菜を、むくみが取れないなら水分代謝を促すとうがんのスープ料理をと、季節やその時々の体調に合わせて作るのが薬膳料理です。
冷え性や疲れやすい人も、いつもの料理にスパイスや薬味を足すだけでも体調を整えることができます。
冷え性とは?
自分は冷え性とは縁がないと思っていても、実は冷え性の場合があります。
次のような症状があるかどうかをセルフチェックをしてみましょう。
冷え性チェック
①手先や足先がいつも冷たく、体温が36℃以下である。
②慢性的な肩こりや腰痛、むくみ、頭痛などに悩まされている。
③便秘がちである。
冷え性の人は、一般に甘いものを好む傾向があり、コーヒー好きの人が多いようです。
冷え性の人におすすめの食材と薬膳
野菜や果物では、かぼちゃ、しょうが、ニラ、ネギ、タマネギ、サクランボなどです。
魚や肉では、羊肉、鹿肉、エビ、サケ、タコ、などです。
その他では、もち米、八角、コショウ、酒粕、味噌、焼酎、日本酒などです。
冷え性改善のための薬膳料理
①ニラ雑炊(2人分)
だし汁400CCを鍋に入れ 、しょう油少々を加え、煮立ったらご飯2膳分とニラ半束を切ったものを加えて、ふたたび煮立ったら、溶き卵2個を加え、火を止めてしばらくおきます。
②かぼちゃのガーリック焼き
かぼちゃを5㎜くらいに切って耐熱皿に並べ、電子レンジで約3分加熱します。
フライパンにバターとニンニク1片をみじん切りにしたものを入れて炒め、かぼちゃを加えて、炒め焼きにします。
③タコの柔らか煮
タコの足3~4本に対して、水を2カップ、酒を半カップの割合で、約1時間ぐらい煮てから、しょうゆ大さじ1杯、砂糖大さじ1杯、みりん少々を加えて煮からめます。
④ショウガ紅茶
ショウガは血行を促進させるので、紅茶に入れて飲みましょう。
※この他、漢方薬では、手足の末端の冷えには「温経湯」、お腹の冷えには、「附子人参湯」、足腰の冷えには「八味地黄丸」が適しています。
疲れ性(虚弱体質)とは?
常に体がだるく、特に午前中に元気がでないが、これといった病気でもないのが、疲れやすい人の特徴です。次のような症状はありませんか?
疲れ性のチェック
①夜ぐっすり眠れず、寝汗をかきやすい。
②髪の毛が抜けやすく白髪が目立つ。
③少し歩いただけで息切れしたり、息苦しくなる
疲れやすい人は食が細くて、慢性的に胃腸の調子がよくないようです。
疲れやすい人におすすめ食材と薬膳
野菜や果物では、かぼちゃ、しいたけ、ニラ、にんじん、ニンニク、タマネギ、ネギ、やまいも、アスパラガス、えだまめ、オクラ、カリフラワー、そら豆、マイタケ、梅、ショウガ、赤唐辛子、ナシ、ブドウ、モモ、リンゴ、アボカド、グレープフルーツ、さくらんぼ、すもも、パパイヤ、ユズなどです。
魚や肉では、サケ、アジ、サバ、エビ、タコ、イカ、ホタテ、アユ、カツオ、ウナギ、サワラ、サンマ、スッポン、タイ、タラ、ドジョウ、ナマコ、ヒラメ、鶏肉、羊肉、牛肉、豚肉、鴨肉などです。
その他では、黒米、もち米、卵、クルミ、クリ、黒豆、カシューナッツ、ハチミツ、ココア、コショウ、シナモンなどです。
疲れを取る薬膳料理
①ヤマイモの豚肉ロール
ヤマイモを1㎝の輪切りにし、豚のもも肉で巻いて片栗粉をまぶし、フライパンにごま油を熱して両面を焼きます。醤油とみりん少量を回しかけます。
②アスパラガスのゴマ和え
アスパラガスは斜めに切り電子レンジで加熱し、もやしをさっとゆでて水気を取り、すりごまとポン酢で和えます。
③酢タマネギ
密閉容器にスライスしたタマネギを入れ、リンゴ酢を注ぎ一晩おきます。
そのままカツオをかけて食べます。
④黒豆ご飯
洗ったお米に、炒り大豆をひとつかみと塩少々を入れて炊きます。
※この他、漢方薬では、疲労に加え胃腸の調子がよくない時は、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)、疲労に加え体の冷えがある場合は、八味地黄丸(ハチミジオウガン)などが適しています。
季節によって、体を”温める”食べ物と”冷やす”食べ物を食べ分ける
薬膳では、食材は体を温める「陽」の食材と、体を冷やす「陰」の食材に分けられます。
暑い地方でとれた野菜や果物は陽の食材、寒い地方でとれたものは陰の食材になります。
体を温める食材か冷やす食材かを見分けるには、一般的に黒い食材が体を温め、白い食材が体を冷やすと言われています。
黒砂糖、黒ゴマ、黒豆、黒きくらげ、黒米などは体を温め、白砂糖や白米などは体を冷やします。
まとめ
季節によって、体質にあった食材を摂ることで、体の冷えや疲れをとることができます。
自分の体は、自分が一番よく分かっています。
「ここのところ甘いものを食べすぎたな」と思ったなら、おやつは黒砂糖ひとかけにするとか、お腹や腰回りが冷たいと感じるときはコーヒーを控えるなど、自分の体と向かい合って食材を選ぶようにしましょう。
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鍼灸あんまマッサージ師
監修 鍼灸院【鍼之助】院長